暗闇の中の狙撃
これでは当たらない……!
それにルミ……!
「迷いが見えるぞ、シカノスケ」
ビスケットは素早く斬撃を連続で繰り出した。
銃剣で何発か受けるが、受けきれず何ヶ所も切り刻まれる。
俺はその中の一撃を銃剣で強く弾いた。
ビスケットの剣は弾き飛ばされ、正中線が隙だらけになる。
俺は銃床でみぞおちを打ち据える。
「ぐっ!」
すぐさま銃床で顎をかち上げ、ビスケットは仰向けで倒れた。
俺は踵を返し、
「ルミー!!」
林の中でルミの声が聞こえた。
「おじちゃん!!」
俺は林に走り出した。
「ルミー!!」
「おじちゃぁん!」
いた!距離がある……、その上暗いが位置はわかった。
俺は二町先(約200m)でも外さない。
慎重に狙いを定め、息を止める。
木の狭間からゴロツキが見えた。
――ダァン!
俺は躊躇なく撃った。
「ぐあっ!」
当たった!もう一人いる。
「兄貴!……あ、ガキ!待て!」
ルミは逃げ出したようだ。
俺はすぐさま次弾を装填した。
「ルミ!!こっちに来い!」
「どこー!」
「右に真っ直ぐ走れ!」
もう一人も見えた。
俺は引き金を絞ったところで
ザクッ!
「ぐぅ……!」
背中に焼けるような痛みが走った。
ビスケットだ。
俺は構わずゴロツキへ発砲。
ダァンッ!
「ぐわっ!」
命中だ。
すぐさま振り向きビスケットに照準を合わせた。
が、銃を蹴り落とされてしまう。
俺は咄嗟に両足に向かって体当たりをする。
ビスケットの剣を持っている左手を押さえ、馬乗りになった。
ビスケットの顔面を力任せに何度も打ち据える。
「ぐはっ!」
ビスケットは鼻血を吹き出しながらもナイフを懐から取り出し、俺の足に突き立てた。
「ぐっ!!」
俺が痛がった瞬間、ビスケットは素早く抜け出した。
しかし、打撃が効いていたのか、一瞬隙が生まれる。
その隙を逃さず俺は足に突き刺さったナイフを引き抜き、ビスケットの懐に突っ込んだ。




