第38話:死霊騎士の軍勢が襲来! だが鎧が錆びているのを指摘され、白銀の聖騎士に強制浄化(ジョブチェンジ)
「……勇者カズマよ、今度こそ終わりだ! 魔王軍が誇る無敵の『死霊騎士団』、その千の呪われた鎧が城門を埋め尽くして――」
国王が腰を抜かして震える中、城外には漆黒の鎧に身を包んだ騎士たちが整然と並んでいた。
放たれるのは死の冷気。だが、俺が真っ先に感じたのは、鉄が腐食した時に放つ独特の「金気臭」だった。
「……おい、エレン。……あいつら、あれで『無敵』を自称してるのか? ……見てみろよ、あの関節部分。……赤サビが浮いて、動きがギチギチじゃないか」
「……ええ、総帥。……おまけにあのマント、数百年は洗濯してませんね。……死霊の魔力という名の『脂汚れ』が層を成して、もはやフェルト状に固まってます。……不潔の極み、万死に値します」
「……よし。……ムサシさん! あいつらの『サビた関節』、一気に叩いて隙間を作ってくれ! 俺が洗剤をブチ込む!」
「御意ッ!! 佐藤殿、拙者の剣、この『頑固なサビ』を剥がすためにあると確信しましたぞ!!」
ムサシが城壁から音もなく飛び降り、千の騎士の間を風のように駆け抜ける。
『斬鉄丸』の柄が、騎士たちの関節を正確に叩き、固着したサビを物理的に粉砕していく。
「な、何を……!? 我ら死霊騎士は不死――ガッ、ギギギッ!? 身体が……軽快に動く……!?」
「動きを良くしてやるから感謝しろ。……シブキ! 『神性・酸性サビ取り噴霧』、全開だ!」
『承知いたしました、マスター。……「鎧専用・レストア魔法」を展開。……数世紀分の腐食を、分子レベルで還元します』
シブキが放った酸性の雨が、死霊騎士団を包み込む。
ジュワァァァァァッ!! という凄まじい反応音と共に、漆黒だった鎧が、眩いばかりの『白銀』へと塗り替えられていく。
「……あ、あああ……。……呪いの重圧が消えていく……。……清々しい……! ……これが、……『手入れされた装備』の輝きか……!」
中身の死霊たちは、鎧がピカピカに磨き上げられたことで、宿っていた怨念(汚れ)まで浄化されてしまった。
気がつけば、千人の漆黒の騎士は、どこからどう見ても高潔な「白銀の聖騎士団」へとジョブチェンジしていた。
つぶやいたー(異世界・トレンド版)の反応:
『【速報】魔王軍の死霊騎士団、一瞬で「ホワイト企業」に転職www』
『「呪われた鎧」は単に「サビて重かっただけ」という新事実。……掃除神、恐るべし』
『魔王様、自分の最強部隊がピカピカの善人になって戻ってきて、絶句してるらしいw』
『現在の戦場:あまりに鎧が輝きすぎて、反射した日光で魔王軍の後続が目潰しを喰らっている模様』
「……ふぅ。……エレン、中古防具の査定なら、今ので最高ランクまで上がったな」
「……そうですね、総帥。……ですが、騎士たちが『これからは掃除の教えを守って生きていく』と、城のトイレ掃除を勝手に始めてしまい、侍女たちが困惑していますが……」
「…………。……いいことじゃないか。……さて、次はあの『魔王城』そのものだな。……あそこの黒い霧、あれ絶対『換気不足』の煙だろ」
――カズマの「異世界清掃」は、ついに敵の本丸、魔王城を「巨大な換気扇」として捉え、煙突掃除の準備を開始する。
第38話をお読みいただき、ありがとうございます!
死霊騎士を「サビ取り」で聖騎士に変えてしまったカズマさん。
呪いとは、要するに「長期メンテナンス不足」のことだと彼は喝破しました。
次回、第39話。
「魔王城の煙突、煤が詰まりすぎて逆流中!? カズマが巨大なブラシを手に、魔王の寝室を強制換気する回」
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佐藤さんの「世界クリーン化計画」、いよいよ魔王城の空調改善へ!




