↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
撃鉄を起こせ  作者: 二口 八分
第二章
PR
49/51

→→→


「昭穂から着信。図書館に目つけられたから気をつけろだってさ。本当に僕らなにもしなくていいの」


 表向きには心配しているかずまに涙は余裕の笑みを浮かべた。


「大丈夫よ。どこぞの派閥のトップたちが暴れたのならいざ知らず、一委員会が文句を言ってきたところで特に害はないでしょ」


 まるで悪役の口ぶりにかずまは苦笑する。それもそうではあるものの、面倒ごとはないに越したことはない。二人が何をしているのかは知らないが、自分たちみたいにカフェで勉強しているわけではないことは分かった。


 図書館はよく利用する。大窓にはめられたステンドグラスが落とす影は柔らかく、何時間でもいられる空間だった。本の貸し出しで図書委員に対応してもらうので大体の生徒については分かる。そして今回、放送部が誰と揉めたのか、かずまは大体の予想はついていた。きっと小枝だろう。


 のらりくらりという擬音語がよく似合う、半不良と呼ぶべき生徒。一年の時に同じクラスだったことからも彼女がどんな人間なのかは知っていた。授業は受けたり受けなかったりで、テストもギリギリ赤点を回避していた。明るい性格ではないもののどこか憎めない奴らしく、女子の輪から浮くことはなかった。

 彼女は面倒だろうなー。アイスコーヒーの結露が滴り、ノートの文字が滲む。だからといって褪せる必要はないし、このあいだ面倒を起こした張本人である事を自覚してかずまは『了解』と返信を送った。


「あとはあの二人がどうにかくっつけばいいんだけどねー」


 涙は最近こればかり口にしている。お節介な仲人だ。


「どうしてあの二人にこだわるんだよ」


「まあ、なんていうか。人助けだよね」


 自分の告白をまだだと断った奴のいうことだろうか。目を細めると涙は申し訳なさそうに手でゴメンと謝ってきた。まあ、人には言えない事なんて誰しもあるだろう。かずまはオッケーと指で表し、数学の問いに戻る。過去問も現実も矢印の向きは複雑極まりなく、解き甲斐がある。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。