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世界都市バビロン計画

 そして即位・凱旋の記念も兼ねて、バビロンの世界都市化計画がいよいよ始まった。

 手始めにバビロンの新市街建設であったが、ここに住む人が居ないという問題が生じた。拡大した領域といっても、アッシリア地方と旧ユダ王国しかない。バビロニアの民から移住を促進しても、やはり限界がある。アッシリアからの移住促進は、殆ど住民を殺してしまったので期待できない。

という訳でユダ王国民から移住を募ると、意外にも多かった。敬虔な者は異邦で信仰が維持できるのかと疑問視していたが、こうして捕囚することなしにいとも簡単に移住政策が成功したのであった。

 またバビロンの交易相手都市としてのニネヴェの再建のため、遺丘の上に都市建設が始まった。これにはアッシリアの遺民が充てられた。しかしニネヴェはバビロンにバビロニアの盟主都市の座を奪われ、再興の機会はなさそうに思われた。

 そこで王は群臣にこう問うた。

 「何か欲しいものある?」

 非常にフランクだったもので、皆またしてもビックリした。そしてニトクリスの立体庭園が欲しいという要望が通り、山を模した建造物だった。建設担当を任されたので、五才山に似せて作ってみた。ちょっとしたメッセージとして、頂上の部分に楔形文字ではなく日本語で、「美子へ、あらゆる時間を探している」と記した。この庭園は後世では「吊り庭園」だとか、「空中庭園」だとか呼ばれるが、アッシリア王の宮殿跡に建てられたそれは、地中海で喩えるなら、ヴェルサイユの如き灌漑設備に、ピラミッドの造形美、そしてサントリーニの純白を兼ね備えたものであった。市民に開放されたこの施設はアッシリアの民に希望を与えた。そしてメディア王国支配域からも移住が相次ぎ、こうして賑わいを取り戻したニネヴェは、ついにあの荒廃を克服したのだった。

 しかしニネヴェが栄えることが目的ではない。バビロンの世界都市化が目的なのだから。バビロン拡張工事は、ニネヴェの立体庭園に負けじと技術の粋を集めて造った豪華絢爛なるイシュタル門に、門から宮殿へと伸びる大通り、そして壁自体が壁画のような3重市壁、東西市街を結ぶ川底トンネル、舗装を施したユーフラテス大橋梁など、1つ1つをとっても現代建築に劣らないものが設けられた。移住した人々はこの都を誇りとし始め、バビロンは人口20万を数えるようになった。

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