3
日が沈んだころ、目を覚ます。
ベッドから起き上がり、身支度を済ませる。
夕飯のことを考えたが、ここは節約をしたいと思い我慢する。
地図を出して再度畑と森の位置を確認する。
何度も道順を指でなぞり、地図をしまい外へ向かう。
慎重に外へ出ると日が沈んでいることもあり、人気がなかった。
そのまま頭の中に入れた道順を思い出しながら静かに進んでいく。
畑に到着すると、人に見つからなかったことに安堵する。
畑の様子は動物などに荒らされたように見える場所が多くあった。
森に近づくにつれ荒れた様子がひどくなり、被害が甚大なことがうかがえる。
足跡の様子から、ターダ・ベイかと予想する。
熊のように大きな体、爪は鋭く、大きな耳で遠くの音までひろう動物だ。
見つけたらすぐに逃げろと言われているほど狂暴で強い動物だ。
周囲の様子を細かく観察して、人がいないことを確認する。
その後森の中へ向けて速足で向かう。
森の中に入りしばらくすると深呼吸を一回おこなう。
すると背中にある痣は消え、翼が現れた。
白色に少しだけ赤色を入れたような、とてもきれいな色の翼だ。
誰もが見惚れるであろうほどの美しさだった。
その翼をはためかせ、空を飛ぶ。
弓を出し、ターダ・ベイを探す。
上空から見渡し、空をかける。
「うがああぁぁぁぁぁ」
その時、大きな鳴き声が聞こえてきた。
声の方向へ進路を変え向かう。
向かった先に2頭のターダ・ベイを見つけた。
2頭のターダ・ベイは取っ組み合いのように争っている様子がうかがえる。
弓をかまえ、ひきしぼる。
そこには矢が光とともに現れ、狙いを1頭のターダ・ベイへ向ける。
同族では弓を使わず指先を向けるだけで力を使う者もいたが、サトミには弓が必要だった。
どうやっても弓無しでは力が上手に使えなかったのだ。
矢から手を放し、ターダ・ベイへ向かっていく。
矢はターダ・ベイの頭を貫通し、息絶えた。
その様子を見ていたもう1頭のターダ・ベイは何が起こったのかわからないのか固まり、周囲に視線を向けた。
ターダ・ベイが周囲の様子を見ている間には弓にもう一回弓に矢をかまえていた。
矢から手を放すともう1頭のターダ・ベイの頭を同じく貫通し、息絶えた。
「はぁ」
息を吐き、畑を荒らしていた動物の討伐が終わったことで力が抜ける。
ターダ・ベイの皮・肉・爪、そのどれも重宝されるものだ。
解体を始めようとナイフを取り出し、ターダ・ベイの場所まで下降していく。
穴を掘り、ターダ・ベイを解体しつつ使わない部位などを埋めていく。
解体を終えるとターダ・ベイの素材を持ってきていた袋へしまい、空へ飛び川を探す。
畑が近いためそばにあると考えていたが、思いのほか近かった。
川へ着くと血で汚れた素材や手を洗う。
洋服も気を付けてはいたが多少汚れてしまったため脱いで洗う。
明日にはこの素材を売ってお金に換え、少しは余裕が持てるかもしれないと嬉しくなる。
素材はとても重たいが、3回往復すれば何とか持てるだろうと考える。
その後サトミはお金のため、往復して宿に素材を持ち帰った。




