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無事誤解を解き、村の中へ入れてくれることとなった。
「ナノカの父のノーイです。改めて礼を言わせてください。ありがとう。」
「いえ、たまたまですから。」
「この村には宿がないんです。よかったらうちへ来て泊ってください。」
いくらナノカを助けたとはいえ、見ず知らずの人の家だ。
だがしかし泊るところがないのであれば、どうすることもできない。
「助けてくれたお礼にはならないかもしれないが、どうでしょうか。」
悩んでいる様子を伺いつつも、声をかけてくれる。
「お姉ちゃん、おうちに来てくれるの。」
悩みに悩み、ナノカの嬉しそうな声も後押しとなった。
「では、お言葉に甘えて。」
「ではどうぞ、こちらです。ナノカ、よかったな。」
「うん。」
嬉しそうなナノカの声が響く。
「あのね、お母さんにこれ、持ってきたの。後で飲んでもらうの。」
「そうか、ありがとうな。」
父と娘のやり取りを見てなごんでいると家に着いたようだ。
「家内はちょっと体調を崩してて、あまりおもてなしができないのが心苦しいですが。」
「お気になさらず。お邪魔いたします。」
家の中は温かみのある様子だった。
「夕飯がまだだったら一緒にどうですか。大したものは作れないが。」
「ありがたいです。ごちそうになります。」
「ナノカ、その薬草は煎じて飲ませないといけないからな。」
「はあい、お手伝いする。」
「椅子に座っててください。」
そういって台所の方へ二人向かっていった。
しばらくすると料理ができたのか、ナノカが食卓へこまごまとした食器や料理を持ってくる。
「お姉ちゃん、もうすぐでできるよ。」
「はい。」
ナノカはそう言ってノーイのもとへ行き、何往復かして運んでくる。
手伝いをするべきか悩むも、自分の家事能力の低さにしり込みしている間にノーイがメインの料理を運んでくる。
「お待たせしました。」
食卓に並んだ料理は、野菜の蒸し物と肉をスパイス類で焼いたもののようだった。
スパイスなのか、お肉の料理がとても香ばしい匂いが食欲をそそる。
「食べましょうか。」
「はあい。」
作ってくれたことへの礼として一つ頭を下げてから食べ始めた。
お肉は舌に少しピリッとくるような味で、ノーイは料理上手なのだとうかがえる。
ノーイはナノカがしっかり食べれるよう面倒を見ながら食べ進めていた。
とても温かみのある家庭なのだとうかがえる。
食事を終えて食休みにお茶をもらっていると、イーリャが鍋を持って一つの部屋に消えていった。
ナノカはその様子を心配そうに見ている。
なんと声をかけていいのかわからず、無言の状態が続く。
「お母さんね、病気なの。」
「そっか…」
とても気まずい。
何もできることがない状態で居心地の悪さを感じていると、イーノが部屋から戻ってくる。
「同じ部屋で申し訳ないが、二階にナノカの部屋がありましてそちらに布団を敷きますね。」
「ありがとうございます。」
「一緒だね。」
ナノカは嬉しそうだ。
助けてくれたからなのか、サトミにとても懐いてくれている。
とてもかわいい女の子で、こんな妹がいたら毎日楽しかったのかなと思いをはせる。
そしてその日はナノカと一緒の部屋で眠りにつくのだった。




