39 月
ソラはカイからきた写真を見ていた。
月だ。
今日はさらに真ん丸になっている。
カイは時々ソラにメッセージを送ってくる。自分の気持ちに気づく前から、ソラはそれを見るのが好きだ。
カイが感動を共有してくれているようで、嬉しくなる。
最近ゲームの時間が減った。
以前よりも人付き合いの時間が多くなった。いいのか、悪いのか、ソラはそれも嫌じゃない。
きっといい変化なのだろうと思っている。
今も写真の月と、本物の月を窓から交互に眺めている。
私もカイさんに送ってみようかな……
満月の写真を撮る。何度もやり直して、一番綺麗に撮れた月を送る。
着信音が鳴った。カイからだ。
ソラは驚き、スマホを落としそうになる。
「もしもし!」
慌てて電話に出るソラ。
「ソラちゃん! 今電話大丈夫?」
すごく近くでカイの声がして、ドキドキする。意識してから電話するのは初めてだ。
「大丈夫です」
「月の写真よく撮れてるね。ありがとう」
「いえ、うまく撮れなくて頑張りました」
「頑張ってくれたんだね」
少しの沈黙。それでも気まずくならないのは、何故だろう?
「……昨日、家の方で用事があってさ、ちょっとソラちゃんの声聞きたくなっちゃったんだ。突然電話してごめんね」
「え、いえ、全然大丈夫です……大変だったんですか?」
そんな事を言われると戸惑う。
「まあ、しっかりしないとって改めて思ったというか、ちょっと頑張ったから元気が欲しいなって」
「私と電話すると元気出るんですか?」
ズバッと聞くソラ。
「う……まあね」
電話越しに照れるカイ。
「それは、嬉しいです」
ソラの嬉しそうな声に、自然と笑顔になる。
「うん。元気出たよ。ありがとう。じゃあ、そろそろ切るね、おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
電話を切る。心臓が早く打つ。寝られる気がしないソラであった。
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