エピローグ
李雨日市、某所。
軽快なノックの音に、ぎい、と重たそうな木製の扉が開く。
出てきた赤髪の男は、客人の顔を確認し、一言。
「なんじゃ、お前か」
「なんじゃってなんだよー。ボクの訪問は一大事ってコトだぞ!」
「そう締まらん顔で言われてものう……」
若い容姿にそぐわぬ古風な口調で言う赤髪の男の前、特徴的な白い長髪の目立つ青年が頬を膨らます。
「もー……そろそろあの子たちが来そうってのを伝えに来たのに」
「あの天龍か。それは楽しみじゃな」
「まーまだまだタマゴ、ヒヨッコだけどね。でもあの波動は間違いない」
白髪の青年の子どもっぽい表情が、ふと真剣みを帯びる。
「キミが導いてやってくれよ」
「ああ。任せておけ」
「よっし! じゃー頼んだよ、参番!」
男の返答を聞くが否や、ころりと気の抜けた顔に戻った青年は、大振りに手を振って立ち去っていく。
その背中を見送ってから、赤髪の男の視線はゆっくりと上がる。
低く落ちた陽に美しく染められた空を、男の狐のような細目がじっと眺めている。
「……さて。これから忙しくなりそうじゃ」
呟いた男は踵を返し、建物の中へと戻っていく。
李雨日市、某所。
ひっそりと建ち、しかしどこか存在感のある建物。扉の横のプレートには、「鳴神探偵事務所」という文字列が彫られていた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
Chapter.2「悪龍狂獣」はこれにて完結となります。
角獣との激闘、いかがだったでしょうか。
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次から始まるChapter.3もご期待あれ!




