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「ありがたい限りです」
兎がにこりと貼り付けた表情は、狐の薄ら笑いのようにどこか不気味だ。
「理性の保証は致しませんが」
「我が身我が心、全て復讐のために捧げたもの。今更惜しいものなどあるまい」
「素晴らしい。貴方こそが『異獣』のあるべき姿です。……どこかの裏切り者とは大違いだ」
吐き捨てられたその言葉は赤目の異獣に拾われることもなく、闇色の空気に溶けていった。
一瞬曇った兎の表情もすぐに能面のような笑顔に戻り、明るくも色のない声が「では、」と続ける。
「よろしく頼みます、黒角殿」
腹の見えない兎の口角が、一際大きく三日月を描いた。
「異端なる者に、希望の花を」
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強化個体の異獣たち、怪しげな兎と赤目の異獣。
謎と思惑のひしめく第五話、いかがでしたか?
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第六話もご期待あれ!




