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「……そう、ですね。私まで落ち込んでちゃ、シブキくんの力になれないですもんね!」
「ふふ、その意気だよ。……妹が一人、増えたみたいだなあ」
「龍使協会にはいないタイプだし、ねえ」
ヒョウと柚木の目にも、率直な気持ちを武器に歩き出そうとする由紀の姿は眩しく映った。
彼女にできることは、大勢の命を救うことでも、誰かを守るため戦うことでもない。たった一人の友人の心を支えることだ。
しかしそれは、幾万の人間を死なせないことより、数多の異獣を討つことより難しいことなのだと。ヒョウと柚木の二人は、それを知っている。
それでも。諦めることを選択肢から排除した由紀と、シブキを誰よりも慕う相棒ならば、必ずシブキの力となれるという確信があった。
(……シブキくん。いつか君の言いたいこと、全部わかるようになるかな。いつか、迷わず答えられるようになるのかな)
帰り道、晴天の空の下、由紀は思う。
(いつかきっと……いや、必ず)
その瞳にはもう、一切の迷いも戸惑いもない。
(君を支える、友達になってみせるから)
もう揺らがない決意を抱いて、どこまでも青い大空の下を、人影が三つ歩いていった。




