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「お前よりはまともさ。けどまあ、こんなおかしなヤツを相棒にしてる時点で確かに、俺も変なんだろうよ。ま、当たり前にしがみつく生き方よりかは賑やかでいいだろ?」
「あの女は賑やかの域を越して鬱陶しいんだがな」
彼女と勇輝は考え方もそれなりに近い気がするが、随分と気に食わない相手であるらしい。
ただでさえ毒舌気味の相棒が、なんとなく不機嫌で、それでいてどこか楽しそうに文句を言っている。そのちぐはぐな様子が、シブキには愉快に映った。
「俺にゃお前もアイツも、似た者同士に見えるけどなあ。同族嫌悪、ってやつかい」
「同族? まさか。俺はあんなに馬鹿じゃないし、うるさくもない」
「どうだか。大差はねーんじゃねーの?」
食い気味に否定してくるのがおかしくて、シブキはけたけた笑う。普段はマイペースな勇輝に振り回されがちだから、たまにこうして反撃するのも一興だ。
対する勇輝はウマの合わない相手と一緒にされたのが余程嫌だったのか、それとも相方が優勢になったのが不服だったのか、ぷいとそっぽを向いてしまう。
しかしそれも長くは続かず、数秒後にはすでに顔の向きも戻っていた。
「……どちらにせよ、これからは余計騒がしくなりそうだな。あの女、全く諦めた気配がなかった」
「あー。恋心奪っちまったかなあ」
「柄にもない言い方はやめろ、気色悪い」
「ひっで。俺だってカッコつけてーときくらいあらァ」
「お前は少し抜けてるくらいでちょうどいいんだよ」
そっちの方が、俺の居場所が広くていい。そんなことを淡々と言ってのける勇輝もまあなかなかだと、シブキは思う。
ただでさえ端正な顔で、歩いているだけでもその辺の女子を一目惚れさせてしまうのだから、そういうキザなセリフは惚れてきた子たちに言ってやればいいのに。
しかしシブキは、勇輝がシブキの隣に居座っているように見えて、その実自分が彼に居場所を用意されていることを知っているから、敢えて何も言わないことにする。
ただでさえ口うるさい相棒がいるというのに、また一人おかしなやつが増えてしまった。それはシブキにとって、存外嬉しく思えることで。
「当分、退屈にはならねーわな」
少なくともしばらくの間は、楽しく過ごせそうだ。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
由紀のアグレッシブさ、お楽しみ頂けたでしょうか。
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次回は戦闘パートもありますので、お楽しみください!
南河天狼




