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「何が強くねーって? くっそつえーじゃねーかよ」
「そこまででもないぞ。ランキングだって、トップ百には足元にも及ばない」
「おめーの基準が高すぎんだよ」
大方、やるからには極めようとやりこんでいたのだろう。興味関心がモチベーションに直結する勇輝らしいといえばらしいが、この妙なストイックさは一体なんなのか。
シブキはため息をひとつこぼし、何となしに筐体を視界から外す。その先、適当に映した景色に何かを見たようで、ふとシブキの青い瞳が丸く見開かれた。
「あ……あいつら」
「どうかしたのか?」
「ほら、向こう見てみろ」
シブキが言って指差した方向を、勇輝の目が辿る。彼が捉えたのは、半袖の緑のパーカーに身を包んだ少年と、薄手の黄色いカーディガンを羽織った少年、赤色のジャージを着用した青年。特に後者二人の明るい髪色は、遠目からでもよく目立つ。谷北、日向、グレンの三人だ。
彼らもこちらに気づいたようで、シブキたちが動くより先に向こうから近づいてきた。
「兄さん。こんなところにいるのは珍しいな」
「よう、グレン。お前らも来てたのか」
「ああ。たまには気晴らしになるだろうと、翔がな」
「そういうわけだ! しかし久しいな、二人とも!」
小柄な谷北が、いつも通りの快活な声で挨拶を投げる。ひらりと手を上げて返したシブキは、ふと違和感に気づいて首を傾げた。
「そういやウェルのやつ、一緒じゃねーのか?」
龍は極力、契約した龍使いと行動を共にする。異獣が襲ってくるのは任務中のみではないからだ。いざとなれば龍結晶を媒介に喚び出せるとはいえ、たとえ戦闘慣れした龍使いであっても長時間龍と別行動をとるのは推奨されていない。




