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声に出さなければ、意識が嫌なことに攫われてしまう気がした。自分の脈を確かめるように、首筋にそっと右手を添える。
(強く、なんねえと)
もう何も、失わないように。もう誰も傷つけないように。
あの日から、がむしゃらに強さを求めてきた。亡き母の背を追って。
まだ足りないのだ。まだ届かないのだ。剣の速さも、心の在り方も。
ゆっくりと、階段を登ってくる足音がする。陶器と金属がわずかに揺れる音がする。
その音に耳を澄ませて、シブキは胸中の思いに蓋をし直した。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
勇輝の憂いと、シブキが抱える苦悩。今後彼らは、どのようにこれらと向き合っていくのでしょうか。
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続く第十二話もお楽しみに!




