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憲太は妖怪料理人になりました  作者: ジャン・幸田
その弐:就職してみませんか
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天然少女・愛里の変化

 愛里はいわゆる天然少女だった。容姿はそれなりの美少女で大人っぽいという感じもするのに、性格はまるで幼い少女のようにバカ正直というか天真爛漫というか・・・まあ、よく仕事の失敗をしてもあんまり深刻に考えない性質だったので、岡島のヤツに目を付けられてしまって回転寿司屋をクビにされたのは、俺がクビになる直前のことだった。


 俺はそんな愛里にフォッシャーさんの指示通りに料理を作って食べさせたのであるが、その結果が・・・とんでもないことになった。


 「みんな! わたし生まれ変わったみたいよ! どう山村君、わたし素敵な笑顔をしているでしょ!」


 「愛里、いいか今から手鏡で自分の顔を見ろ! 見たところでショックを起こさないようにという方が無理かもしれないけど・・・まあ見てみろ!」


 俺はお袋のバックにあるコンパクトを差し出した。彼女の状況を隠すよりも早く教えた方が良いと思ったからだ。そう愛里の顔は異形のものに変化していた、差別的な言い方だと人外に・・・


 「これが、わたしなの? 一度、こんな顔になってみたかったのよ! もう、受ける!」


 彼女は嬉しそうな声を上げたので、俺は思わず腰を抜かしてしまった。しかも今この部屋にいる者は俺以外は特に驚いていない様子だった。愛里が一つ目になったというのに!!


 「フォッシャーさん、愛里に何を食わせたんですか!」


 「あれはなあ、彼女の封印された妖力を解放する一種の呪詛だったんだ。同種の妖怪を食べる事によってなあ。念のために妖怪の血を引く者以外には飲めないお茶を飲んでもらったけど、この部屋の誰も飲めたからなあ。大丈夫だとおもったから続けたのさ」


 俺も割合はわからないけど妖怪の血が流れているので飲めたという事らしいが、すると愛里もその母も妖怪だったということなのか?


 「狐塚さんが来るという事で、こんな事になるのだろうと思っていたんですが・・・うちの娘の反応の方が驚きでした。だって一つ目少女になっているっていうのに! 気絶するものとばっかり思っていたというのに!」


 愛里の母親がいう事に俺も同感だった。フツー自分の顔が妖怪になっていたらバケモノ! と叫んで気絶するはずなのに、彼女ときたら嬉々としているからだ。


 「山村君、わたしのこの顔どうかな? 個性的でしょ!」


 「そうだな個性的すぎるぞ! それにしても前から知っていたんかよ!」


 「ええ、母さんが言っていたのよ。もしかして私には物の怪の血が入っているって。でも、発現しないので体調がずっとすぐれないのはこれが原因なんだと。こうして人外の姿になれたから嬉しいよ!」


 「でも、その姿で外に出歩けないだろうに! どうするつもりなんか、このまま引きこもり少女になるわけなのか?」


 そういっている間も愛里は嬉しそうだった。俺も妖怪を多少は見たことはあるけど、こんなに美しい妖怪はいないと思うけど、大丈夫なんか彼女は?

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