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憲太は妖怪料理人になりました  作者: ジャン・幸田
その弐:就職してみませんか
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就職支援の訳とは

 「ところで、なんで役所がここまで、俺いや僕の就職の斡旋をしようとするのですか?」

 

 俺はハローワークに来て失業保険の受給手続きだけで帰ろうと思っていたのに、いきなり就職支援をしてやると言われ困惑していた。目の前にいる狐塚潮美というオバサンは他にも分厚い資料を納めたファイルを沢山抱えていたが、そのファイルをいろいろとめくっていた。


 「それはねえ、あなたの妖力が強すぎるからよ。ほら、あなたが勤めていた風雅寿司の本部事務所のことご存知ですよね。物の怪の気配を感じたでしょ?」


 「ええ、いろいろといたようですがそれがなにか?」


 「ああいった物の怪は日本各地に数多く存在するものですけど、誰かさんのお陰で強大化していたのよ。その誰かってここにいるあなたよ!」


 「どうしてそうだというのですか?」


 「実は、風雅寿司の査察に行った別の部署の役人、彼も妖怪族だけど、が強力な残留妖力の存在を察知してね。それで発生源を探したらあなただったわけ!」


 「そんなことないはずですよ。そりゃクビになって嫌な思いもしましたし・・・辞めさせられていい思いをする人間なんていないでしょ!」


 「それもそうね、いきなり退職を強要されたんだったよね? まあ、そんな職場早く去る事ができてよかったかもね。拝み屋さんにリストラ要員を決めさせるぐらいですから

 あの風雅寿司に残っていたあなたの恨みが篭った強力な妖力を吸収して、貧乏神なんかが災いの種をまいたそうよ。それだけあなたの力がつよかったわけ。もうあなたの能力は発動されているわよ」


 「恨みといったって、そんなに強くありませんよ。恨みが強かったら実力行使に出ていますよ!」


 「そうだよねえ。でも、あなた自分では気付いていないでしょうけど、純粋な妖怪と同じもしくはそれ以上に妖力強いのよ! あなたはその気がなくても悪い者達に悪用されたら、この国がひっくり返ることだって出来るかもしれないのよ」


 「さっきから言っていることの意味がわかんないのですが、いったい俺に何をしろというのですか?」


 「正直に言います。あなたを無職のままで社会に置いておくとあなたにとっても、みんなにとっても、なによりもこの国にとっても災いをもたらすかもしれないという事ですよ。だから就職支援をして生活が安定する事に協力するわけです。それにあなたの能力を社会に生かすためです」


 「それはそうなんですか・・・気持ちはありがたいですけど、少し仕事をせずに休ませてくれませんか? 失業保険を手に出来たのですから、少し考えさせてくれませんか?」


 「そうですか・・・考える猶予はありますし、じっくりと考えてください。あなたは若いのですからどんな仕事に向いているかを考えてください。絶対ですよ」


 そう狐塚オバサンの話をしたあと、ハローワークの廊下を歩きながら思っていた。直ぐにオバサンがいうところに就職するのかいいか、自分が探したところに就職するのが良いか、それともニートになってみるのもいいか・・・


 とりあえず失業保険を受け取ってから考えてみようと思ってハローワークをあとにした。

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