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憲太は妖怪料理人になりました  作者: ジャン・幸田
その壱:クビにされてしまった!
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マット化した貧乏神

 「それにしてもお前、妖怪の血が流れているだろ。まあ妖力はさほどないが結構オーラがあるぞ!」ブラックボンビー神を名乗る貧乏神は憲太に聞いてきた。


 「おう、俺には八百比丘尼の血が流れているとお袋から聞いたが、それはどうしたんだ?」憲太はなんで妖怪の血が流れているなんて思ったんか不思議だった。


 「実はな、この回転寿司屋チェーンの守護神はワシだったんだ。まあ貧乏神といっても時と場合によっては福の神以上に役に立つがな。それに福の神だって個々の能力差があるので中には役に立たないものもいるんじゃ。まあご利益のあるお守りもあればないお守りもある。貧乏神も苦労はさせてもほどほどのご利益ぐらいはもたらせてやるのさ。なんだってわしも、こんな居心地のいい祠を出たくないからさ。でも最近のこの店はこまったもんじゃったよ。貪欲に利益を追求するあまり人件費と材料費をケチりすぎじゃよ! おかけで悪い気を浴びてしまってワシも困っていたんじゃ」そういってあぐらをかいていた貧乏神は立ち上がると憲太の前にやってきた。


 「そうなったのもお前も悪いがここの従業員はもっと悪い! ほら昔から言うだろう食べ物の恨みは恐ろしいと! この店で食べたお客さんのがっかりした思いが怨念となってわしに負の力をもたらしたんじゃ! ほら、最近気にならなんだか? 一気に売り上げが下がったのを。それにいまはなんかよくわからないけど、人々が情報をよくやり取りしているんじゃろ? どうも評判が加速度的におちていたんだろう。まあ、努力するだけ深みに嵌っていったんだから救いようがないけどさ」


 たしかに貧乏神がいうように、バイトを少なくしたり残業代を一切出さないサービス残業をさせられたり、得体の知れない材料を使ったりしていた。すべてよかれと思ってやっていたけど、やればやるほど売り上げが目に見えて下がっていった。だから俺もクビになったわけだけど。


 「それに、お前クビになったんだろ! お前って自分でも気付いてないだろうけど妖気がけっこうあるんじゃ! だから防波堤のようになっていたんだけど、いなくなったからワシは凶暴化したんじゃ。そうそう、わしはお前クビになった理由知っているんじゃ! マネージャーとやらが気にいらなんだということもあるけど、ここの社長がリストラ対象を決めるのに拝み屋を使ったんじゃ、そしたらお前の血が穢れているというお告げがあったんじゃ。それにしても妖怪との混血の意味を考えずにいってしまったもんだな、まあ混血を穢れとするなんて差別意識まるだしだ! だから自分で増水した川の堤防を崩してしまったんだから自業自得だな」


 貧乏神の話ではどうも俺がいなくなってマット化したということらしかった。それにしても俺って一体なんなのだ?

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