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歪んだ世界の中で  作者: わっしょい
第一章 冤罪人【ユウマ・カザハラ】
8/9

8.強行

夜の街は人がいなかった。


灯りも少ない。


不自然なくらい静かだ。


「……なんだこれ」


ユウマが外に出た瞬間――


爆音。


目の前の建物が吹き飛ぶ。


「は!?」


煙の向こうに、人影。


銀髪の少女、セレス。


その後ろに複数の隊員。


そして――


「……ミナ?」


ユウマは目を見開く。


ミナは一瞬、視線を逸らした。


そのまま、何も言わない。


ユウマの声にも反応しない。


無視。



セレスが前に出る。


「ユウマ・カザハラ」


「だから違うって言ってんだろ!」


ユウマは叫ぶ。


「俺は犯人じゃねぇ!」


「証拠がある」


「そんなの知らねぇよ!」



ミナが動く。


一歩、前へ。


セレスとユウマの間に立つ。


「……セレス先輩」


小さく呼ぶ。


「待ってください」



セレスの視線が向く。


「どうした」


ミナは一瞬だけ迷う。


それでも言う。


「……この人は犯人じゃありません」


ミナは続ける。


「この人は犯人じゃありません」



セレスは動かない。


「根拠は」


ミナは答える。


「私が見てきました」


「接触して、行動を確認しました」


「戦い方も、考え方も違います」


「この人が、あの事件を起こしたとは考えられません」



セレスは数秒考える。


だが、首を振る。


「証拠が出ている」


「間違いです」


ミナの声が少し強くなる。



空気が張り詰める。


セレスが一歩踏み出す。


「ミナ」


名前を呼ぶ。


「お前は優秀だ」


「だからこそ、判断を誤るな」


「誤っているのは――」


ミナは一瞬言葉に詰まる。


セレスが動く。


「対象、制圧開始」


会話は切られた。



地面が弾ける。


ユウマは必死に避ける。


「うおっ!?」


「話終わってねぇだろ!」


だが止まらない。


攻撃が続く。


ミナは動けない。

(続く)

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