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7.違和感
最近、ユウマは気づき始めていた。
「……なんか多くね?」
街の空気。
視線。
同じ場所に、同じような人間がいる。
偶然にしては出来すぎている。
⸻
ギルド。
「どうしました?」
ミナがいつも通り聞いてくる。
「いや……なんかさ」
ユウマは少し言葉を探す。
「見られてる感じ、しねぇ?」
ミナは一瞬だけ止まる。
ほんのわずか。
普通なら気づかないくらいの間。
「気のせいじゃないですか?」
すぐにいつもの調子に戻る。
「そうか?」
「はい」
ユウマは納得しきれない顔をする。
⸻
その日の依頼は、簡単な荷運びだった。
戦闘もない。
ただ、その最中。
「……やっぱいるよな」
遠くに、同じ人影。
ミナもそれに気づいている。
「ユウマさん」
「ん?」
「依頼に集中してください」
「いや無理だろこれ」
⸻
その夜。
ミナは報告する。
「なぜ監視人数、増加しているのですか」
通信の向こうから返る声は短い。
『上層の判断だ。対象の危険度再評価に伴う』
ミナは少しだけ黙る。
「……了解」
⸻
別の場所。
『対象の脅威度は依然高い』
セレスは静かに答える。
「なら、対応も変えるべきです」
『具体案は』
一瞬の間。
「……強行手段への移行を提案します」
(続く)




