第3章:壊れた羅針盤
《システム》は、俺が立ち上がるのを待たずに、この先の代償を突きつけてきた。
【レベル64→レベル65】
【必要EXP:48,000】
【今回の戦闘で得たEXP:340】
以前は220ポイントでレベルが一つ丸ごと上がった。だが今、340ポイントでも針はほとんど動かない。いつもと同じ冷静さで、素早く計算する――今夜のペースなら、たった一レベル上げるのに何年もかかるだろう。
悪い知らせの姿をした、良い知らせだ。上がるのにこれほど費用がかかるなら、事故で下がるのも同じだけかかるということだ。あの漏出が明日また起きることはない。時間がある。本当に、生まれて初めて、時間があるのだ。
一瞬目を閉じ、あの漏出の間に現れた名前を探す。まだそこにある。しっかりと、顔を伴って――黒い髪の女が、もう何だったか思い出せない何かに笑っている。前の人生の顔を丸ごと見られたのがいつ以来か分からない。以前は断片だけだった――一つの単語、匂い、色。だが今回は違う。崩れ落ちたと思っていた家の、一部屋をまるごと取り戻したような感覚だった。
立ち上がる。ギルドの二人はもういない――暗い坑道の奥へと走り去り、姿を消した。もっと大勢を連れて、もっと鋭い質問を持って戻ってくるだろう。その時、俺はここにいるつもりはない。
《砕けた金床》へ向かうことにした。徒歩三日の距離にある、この鉱山盆地で最大の街だ。本物の冒険者ギルドがあり、記録があり、この谷を越えた先の世界とつながる伝手もある。もし俺が本当に――記憶に浮かぶ顔だけでなく、名前や場所、追いかけられる何かを――見つけられる場所があるとすれば、そこから始めるしかない。それに、この顔なら、《砕けた金床》の誰も俺を知る理由がない。
◆◆◆
夜明けとともに鉱山の谷を出る。背中にツルハシを括りつけ、死体から奪った服はほとんどぴったりだった。道は、これまで近くで見たことのない森へと下っていく――二十九年も地下で働いていれば、木を眺める時間などほとんどない。
ここの空気は違う味がする。湿って、緑の匂いがして、この世界のものではないどこかで嗅いだ覚えのある、濡れた土の匂いが混じっている。一瞬立ち止まり、自分でも驚きながら、その既視感がどこから来るのか探ろうとする。具体的な何かは浮かんでこない。ただ、別の人生で、別の空の下で、以前にも嗅いだことがあるという確信だけがあった。
金属光沢のある青い羽の鳥の群れが、頭上の樹冠を横切っていく。笑い声のような鳴き声をあげながら。見たことのない鳥だ――いや、三十年前には見ていたのかもしれない。時間が他のすべてと一緒に、その記憶も持ち去っただけで。梢の間に消えるまで、目で追い続けた。
さらに先で、根のように枝分かれした角を持つ鹿の群れが、小川で水を飲むために足を止めていた。俺を見ても、すぐには逃げない――蘇った死体や、闇に潜む武装した男たちも生み出すこの世界の生き物とは思えないほどの、落ち着いた目でこちらを見ている。動かずに、彼らが水を飲み終えるのを待ってから道を進む。馬鹿げているとは思うが、この数ヶ月で初めて自分に起きた優しい出来事のように感じられた。
旅の二日目の夜、甲高く繰り返される夜の虫の声に、ふと足が止まった。知っている音だ。ここではない――地球の、いつとも分からない夏の記憶。どこかのポーチに座り、木の階段から素足を垂らしている。この記憶に顔はない。名前もない。ただ音と、暑さと、温もりの残る板張りに素足を乗せた、あの正確な感触だけがあった。
焚き火のそばにしゃがみ込んだまま、その虫の声が、老いがほぼ三十年かけて空にしてしまった穴を満たしていくのに任せる。あの女の顔に比べればちっぽけな、ほとんど馬鹿げた断片だ。それでも同じように大切にする。取り戻した欠片の一つ一つが、まだどこかに俺自身の何かが残っていて、見つけられるのを待っているという証だから。
◆◆◆
三日目、森が開けると、眼下の谷に《砕けた金床》が現れた――文字通り、巨大な鍛冶場の残骸の上に築かれた街だ。煤で黒ずんだ石壁が続き、いくつかの塔からはまだ煙が立ち上っている。まるで、最初の炎が今も完全には消えていないかのように。
誰にも止められずに門をくぐる。この顔、この死者から借りた服なら、俺はただ街に入ってくる若者の一人にすぎない――そんな人間を二度見る者はいない。誰かに気づかれる重圧を感じずに通りを歩くのは、何年ぶりのことだろうか。
冒険者ギルド『壊れた羅針盤』は、中央広場で一番高い建物を占めていた。看板には、真っ二つに割れた羅針盤が彫り込まれている。この皮肉は、おそらく意図的なものなのだろう。扉を押し開ける。
磨かれた石造りのカウンターの向こうで、黒い三つ編みの若い女が、顔も上げずに台帳を確認していた。
「新規登録ね」まだ俺を見もせずに言う。「名前とレベル評価を、水晶にお願い」
示された水晶に手を置く。一瞬、光が灯った。
【名前:トマス】
【レベル:64】
【筋力210|敏捷198|スタミナ185|知恵230|抑制力40】
女が顔を上げる。それから水晶に目を戻す。それから俺を、上から下まで――まるで間違いを探すかのように見た。
「これ、おかしいでしょ……」俺にというより、自分自身に向けた呟きだった。
「正しいさ」
もう一瞬、女は俺を見つめ続けた。あの朝の坑夫と同じ表情だったが、恐怖はなく――どちらかといえば、驚嘆に近いものだった。
「あなた、一体どこから来たの?」その問いは、俺がこの世界に来て以来初めて、糾弾のようには聞こえなかった。
純粋な好奇心のように、聞こえた。




