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 「ただいまー」

とだけ言って部屋へ駆け込み、ばたりとベッドに倒れ込む。


 …疲れた…


 あの後、自己紹介が終わって交流を深めようという目的で自由時間があった。

 ヒロインと話さないようにしようと努力したのだが…


うん、失敗した。

そもそも、ホームルーム前に話しかけちゃったのがいけなかったんだよね、きっと!


きらきらした目でずっと話しかけられてるのを無視できるほど、私のメンタルは強くはなかった…。


最終的に私と彼女は「美紀ちゃん」「玲奈ちゃん」と呼び合うほどの仲になっていた。


ちなみに、零は原作通り上木 陸と友達になっていたようだ。

性格は原作と逆転しているが、だからこそ仲良くなったのかもしれない。

加えて言うと、二人ともクラスのみんな(主に女子)から熱い視線を受けていた。

漫画の主人公とかだから、見た目はかっこいいのだ。

……少なくとも、零の中身はへたれだが。


ともかく、ここまではほぼ原作通りになってしまった…。

なんとか面倒事に巻き込まれるのは回避しなければ。

私の青春が無駄になってしまう!


とその時、玄関から、

「玲奈ー、」という零の声がした。

続いて、こんこん、と扉がノックされる。

いいよ、と一言かけると、零が入ってきた。


「あー、やっぱり先に帰ってた!

ひどいよ、一緒に帰ろうって約束したのに!」


「いや、そんな約束してないから。

勝手に捏造しないでよ。」

と怒ったように話す零にしらっと返す。


うっ、と一瞬言葉に詰まったあと、

「しゃあ明日からは約束ね!」

と言ってくる。


反論しても無駄だろうから、はいはい、と適当に答えておく。

明日からは面倒になりそうだ…。


まぁ、ここは諦めるか…。


ふぅ、とひとつ溜め息をついてから零に向き合う。



「それで、そんなことのためにわざわざ来たの?」


うぅ、玲奈の最近僕の扱いが酷い…と嘆く零を無視して尋ねる。


「あぁ、そうだった。

ねえ、玲奈は何の部活に入るつもりなの?」

と首をかしげながら聞いてくる。


どうしてこいつは男なのにこんなに可愛い仕草が似合うのだろう。うらやましい。


「まだ何も決めてない、というか、入るつもりはないよ。高校では、勉強に集中しようかなとも思うしね。」

と思ったままに答える。

部活に入ると、交友関係が広がって何かありそうだし…。


「ふぅーん、なら、僕もいいかなー。」

などと気楽そう言ってくる零。


……零はもう少し自主性を持つべきだと思うのは私だけかな?

私には関係ないから別にいいけど。


「で、それだけ?」

と言うと、やっぱ酷い!と泣きそうに呟いてから、


「それだけじゃないよ!今日はね………」

と今日あったことをペラペラと話し始めた。


……別に同じクラスだからおおよそのことは知ってるのに…と思って聞き流していたが、途中上木 陸の名前が出てきて、耳を傾けた。


「それでね、陸君ってば、いきなり少女漫画がどうとか言い出すんだよ?キャラが何とかって。面白いよね!」


それを聞いて、私は確信した。


彼は転生者だ。


キャラ設定を守っていないのはどういう意図なのか、聞いておかねばならない。



お読みいただきありがとうございますm(__)m


感想等、お待ちしております。



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