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入学してから10日経った。


まだ私は上木 陸と話を出来てはいない。


しかし今、私はその絶好の機会を手にしていた。

……ついでに私の平和が脅かされもしていたのだが。



私の目の前には零、その横に上木 陸。

隣には美紀ちゃんが座っている。


二泊三日の新入生オリエンテーションで、同じグループになってしまったのだった。




そもそも、初日からよく話していた美紀ちゃんと安易にペアになってしまったのがよくなかったのかもしれない。

でも、まさかそこに零が近づいてくるとは思わなかったのだ。

それも、上木 陸という超不確定要素を連れてくるなんて。





そんなわけで、どうしようかと考えていると、「それでいいよね?」といきなり言われた。


もちろん何も聞いてなどいなかった私は、

「えっ、あぁ、うん。いいんじゃないかな」

と反射的に答えて、何だろう?と首を傾げる。


「じゃあ、3対1でハイキングに決定ー!」

いえーいと盛り上がる美紀ちゃんと零。

そして何故か苦々しげな顔をする上木 陸。


ハイキング…?何かあったような…。

あっ!と小さく声を上げてしまった。


「どうしたの?」と言われて慌てて何でもないよ、と返す。


どうしよう…。

オリエンテーションでのハイキングは、イベントの一つなのだ。

しかも、ヒロインが一人迷子になってそこをヒーローが見つけ出し、それらを見ていた玲奈が少し嫉妬する、というもの。

もちろん、今の私なら嫉妬なんてしないだろうけれど…。




……もしかして、物語をその通りに進めちゃった…?




それに気付いた私は、一人頭を抱えるのだった。


お読みいただきありがとうございますm(__)m

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