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門をくぐって、新入生のつけるお花をとりに行く。
原作では、ここで零がヒロインである姫宮 美紀を見て、気になってストーリーが始まるのだ。
もちろん、その時横に幼馴染みの私はいなかった。
横にいて巻き込まれるのも嫌なので、ささっとどこかへ逃げようとすると、
「どこ行くの?」
と手を捕まれて止められた。
面倒なことになる前に逃げたいんだけど…!
なんて言えるはずもなく、かといってうまい言い訳もなく、結局そのままになってしまった。
しばらく並んで、もう少しでお花をもらえると思った時、風がいきなり吹いた。
あぁ、これがあの始まりの場面か……!
とコンマ一秒で考え、前をそっと向くとそこには、長い黒髪をたなびかせた儚げな少女が立っていた。姫宮 美紀だ。
そっと零の方を向くと、彼は彼女に見とれていた。
少し開いた口から「かわいい…。」と呟くのが聞こえる。
どうやら、原作通り彼女に惹かれたようだ。
と、自分たちの順番がきたので、零をつついて現実に戻し、お花を受け取って胸の辺りにつける。
その後の入学式の最中、私はずっと悪役回避の方法を考えていた。
零を近づけさせないのはもはや断念せざるをえないだろう。
あとは……、と考えたところでふと気づく。
もしかして、私が零を好きにならなければいいだけの話ではないのだろうか…!?
思わず、あっっと声をあげそうになる。
危ない、もう少しで入学早々に目立ってしまうところだった。
でも、そうだ。
とても簡単なことじゃないか。
そのことに気付いた私は、一気に希望がみえてきたようで、うきうきとした気分で先生方の話を聞き始めた。
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