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空が暗くなってきたころ、ふと時計を見た上木が
「あと1つくらい何かに乗って終わりか」と言った。
つられて時計を見てみると、もう6時30分。
閉園自体は9時だが、さすがに良家である二人はそこまでいられないようだ。
「何乗る?」と話を振って、すぐに後悔した。
あぁ、これは、漫画の通りの展開になってしまうのではないか…?
上木のほうを見てみると、案の定、にやりと笑ってある乗り物を指差した。
「ペアでの優先券が三枚あるんだか、どうだ?」
彼が指差した先には、王道中の王道、観覧車があった。
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公平かつ公正なるじゃんけんの結果、二回乗るのは美紀ちゃんと上木、そしてペアはあみだくじの結果、美紀ちゃんと零、そして私と上木ということになった。
そんなわけで、私は今上木と向かい合わせに座っている。
「…どうかしたか?」
ほんとにこいつ、何が目的なんだろう。そんなことを思ってじーっと上木のほうを見ていると、さすがにそう聞かれた。
「…あんた、結局何が目的なの?漫画通りのイベント起こしたかと思えば、零のポジションを奪うような真似してるし…。」
「あれは、お前がボーッとしてて絡まれるのがわるいんだろ。」
「それはそうだけど…。」
「目的、か。とりあえず、面白ければ何でもいいんだよな。」
「面白い?」
「そう。前世での俺は優等生を演じてたから、つまらなかったんだよ。だから、今は楽しめればそれでいい。そんなところか。」
「…なら、私が平穏無事に過ごすことを邪魔しない…」
「嫌だ。」
即答された。
折角少し希望を持ったのに…。
私のほんの少しの喜びを返せ!
「…どうして?こんなやつに絡んでも面白くもないでしょ?」
「ん?十分面白いぞ?それに、少し興味も湧いてきたしな…」
最後のほうは声が小さくて聞こえなかった。
どうやって説得しようかと思い、ふと後ろのゴンドラをみる。
零と美紀ちゃんが楽しげに笑っていた。
いったい何を話しているのだろう。
「気になるのか?」
そんな私の様子に気づいたのか、上木が聞いてきた。
「そりゃ、まあ。漫画通りではなさそうだな、とは。」
漫画では、零はあんなふうには笑っていなかったから。
「それはそうと、このあとの観覧車の中で、あんた、美紀ちゃんに毒牙かけないでよね?」
「かまうな、と言ったあとにそれか」
「あの子は友達だもん。」
「…それなら、ちゃんと見張ってろよ?俺が何かしないかを、これからも。」
そういって、彼は楽しげに笑った。
「これからもよろしくな?」
…完敗でした。
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