↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/29

23

空が暗くなってきたころ、ふと時計を見た上木が

「あと1つくらい何かに乗って終わりか」と言った。


つられて時計を見てみると、もう6時30分。

閉園自体は9時だが、さすがに良家である二人はそこまでいられないようだ。


「何乗る?」と話を振って、すぐに後悔した。


あぁ、これは、漫画の通りの展開になってしまうのではないか…?

上木のほうを見てみると、案の定、にやりと笑ってある乗り物を指差した。


「ペアでの優先券が三枚あるんだか、どうだ?」


彼が指差した先には、王道中の王道、観覧車があった。



****************



公平かつ公正なるじゃんけんの結果、二回乗るのは美紀ちゃんと上木、そしてペアはあみだくじの結果、美紀ちゃんと零、そして私と上木ということになった。



そんなわけで、私は今上木と向かい合わせに座っている。



「…どうかしたか?」


ほんとにこいつ、何が目的なんだろう。そんなことを思ってじーっと上木のほうを見ていると、さすがにそう聞かれた。


「…あんた、結局何が目的なの?漫画通りのイベント起こしたかと思えば、零のポジションを奪うような真似してるし…。」


「あれは、お前がボーッとしてて絡まれるのがわるいんだろ。」


「それはそうだけど…。」


「目的、か。とりあえず、面白ければ何でもいいんだよな。」


「面白い?」


「そう。前世での俺は優等生を演じてたから、つまらなかったんだよ。だから、今は楽しめればそれでいい。そんなところか。」


「…なら、私が平穏無事に過ごすことを邪魔しない…」


「嫌だ。」

即答された。

折角少し希望を持ったのに…。

私のほんの少しの喜びを返せ!


「…どうして?こんなやつに絡んでも面白くもないでしょ?」


「ん?十分面白いぞ?それに、少し興味も湧いてきたしな…」


最後のほうは声が小さくて聞こえなかった。


どうやって説得しようかと思い、ふと後ろのゴンドラをみる。

零と美紀ちゃんが楽しげに笑っていた。

いったい何を話しているのだろう。


「気になるのか?」

そんな私の様子に気づいたのか、上木が聞いてきた。


「そりゃ、まあ。漫画通りではなさそうだな、とは。」

漫画では、零はあんなふうには笑っていなかったから。


「それはそうと、このあとの観覧車の中で、あんた、美紀ちゃんに毒牙かけないでよね?」


「かまうな、と言ったあとにそれか」


「あの子は友達だもん。」


「…それなら、ちゃんと見張ってろよ?俺が何かしないかを、これからも。」


そういって、彼は楽しげに笑った。


「これからもよろしくな?」






…完敗でした。

お読みいただきありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。