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そろそろゴールデンウィークだというくらいのある日のこと。
入学してから約一ヶ月、私の高校生活はいたって平和だった。
「玲奈ちゃん、食堂行かない?」
……まあ、美紀ちゃんとは未だ変わらず友逹なのだけれど。
「うん、いいよ。」と答え、お弁当を持って立つ。二人で教室を出ようとすると、
「あれ、どこいくの?」とちょうど近くにいた零に声をかけられた。その後ろには上木もいる。
「食堂だよ。」と美紀ちゃんが答える。
「そうなんだ、僕たちもだよ。」
……あ、なんか嫌な予感がする。さっさと逃げよう。と思ったのだが、
「どうせなら、一緒に行かないか?」と上木が微笑みながら言った。
いや、いいと口を開きかけたところで、
「本当?喜んで!」と美紀ちゃんが答えてしまっていた。
……遅かったか…。
「じゃあ、行こうか。」と零が言って、歩き出してしまう。
「私たちも行こう!」と言われ、私は断る理由もなく、心の中で溜め息をついてから、三人についていった。
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ここ、清涼学園の食堂はお金持ちの集まる私立校とだけあって、少し値段が高めに設定されてある。
もちろん、庶民である私に毎日そんなお金が払えるわけもなく、お弁当を持ってきている。
これに関しては零も同じだ。
それに合わせてか、美紀ちゃんもいつも豪華なお弁当を持ってきているのだが、今日は忘れてしまったらしい。
上木も恐らく同じだろう。いつもは零とかと教室にいるのを見かけるし。
というわけで、お弁当組の私と零を除いた二人が食事を持ってきてから、適当な場所を見つけて座る。いただきます、と手を合わせてから食べ始める。
とりとめもない話をしながら食べ、デザートの果物に移ったあたりで、上木が何気ない口調で
「なぁ、三人はゴールデンウィークの予定はもう決まってるか?」と言い出した。
「僕は、特に決まってはないよ」と零が答え、美紀ちゃんもそれに同意するように頷く。
それを見た上木は、何か悪巧みをする子どものように少し笑った。
あ、やばい。本日二度目の嫌な予感。
「私は、予定がある…かも。」と言うと、
「え?昨日聞いたときにはないって言ってたけど?」と零が余計なことを言ってきた。
それを聞いた上木はより笑ったような表情になる。
「なら、全員暇ってことだよな。」
「それがどうかしたの?」と美紀ちゃんが聞くと、上木は四枚の紙切れを取り出した。
…何かのチケット?
「俺の会社のやっている遊園地のチケットをちょうど四枚もらったんだが、この四人で一緒に行かないか?」
「え、いいの?」と零や美紀ちゃんが嬉しそうな顔をするなか、私は1人苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
原作では私が提案するはずだったものを、私がしないだろうと思ったのだろう――まぁ確かにしない気ではあったが――上木が自分から提案してきたのだった。
……折角平和だったのに…。
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