犯罪者同盟
遡ること50分前。美弥は戦闘をしながら、あることに気づいていた。
(この人、自分の身を守るだけで、少しも私に攻めてこない。なんでだ、?)
そう思った直後に、美弥は五十嵐を取り押さえることが出来た。
「五十嵐!」風見が泣き叫んでいた。
「俺達は、、ここで捕まるのか。。まだ人生でやりたいことをほとんどやってないのに‥」
五十嵐も涙をこらえていた。
「お願い!五十嵐を離して!」
「‥‥」
美弥は何を言っていいのかわからなかった。
「その鉄パイプで俺を殺せ。」
その言葉を無視して美弥はスマホを触り出した。そして、とある画面を確認した。
美弥はあることを確信し、五十嵐を離した。そして2人にスマホを差し出す。
「急いで車でこの場所まで移動して!」
2人は意味不明の要求に困惑していた。
「説明は後でするから!早く!警察が来ちゃう!」
2人は車に美弥を乗せて指定した場所に到着した。そこは、広めの一軒家だった。
玄関には時水というプレートがあった。
美弥が鍵を開け、3人は中に入った。
リビングに移動し、座るように指示した。
「五十嵐さんと風見さん。2人は本当は強盗殺人をしてませんよね?」
「どうして、そう思ってくれたの!?」
2人は神様を見るような目で美弥を見た。
美弥はリビングの奥にある部屋へ向かった。
指紋認証を解除すると、巨大な金庫の扉がゆっくり開く。
中には札束が何段にも積み上げられていた。
美弥はその中から2億円ずつ取り出し、2人の前に置いた。
「そして、本当にごめんなさい。」
美弥はなぜか謝った。そして、金庫に案内して2億円ずつ現金で2人に渡した。
500兆円のうち、10億円を現金として持っていたのだ。
「これは!?」
「お2人のお金をお返しします。」
「まさか!?あなた!?」
「はい、おそらくお2人もお気づきでしょう。私は500兆円事件の犯人です。」
2人は言葉を失った。
「私は、2人は戦闘中に自分の身を守るだけで、私を傷つけようとしてこないことに不信感を抱きました。そして、500兆円の送金履歴を見て見ると、残り4日の時点で2億円を送金していました。一晩寝ていれば500兆円が貯まっている可能性が高いのに、強盗殺人をするようなお金に目がくらんだ人は大金を寄付する訳ないと確信しました。」
「そうです!私達は強盗殺人なんてしていないんです!相手が私たちのことを殺そうとしたから、仕方なく相手を包丁で突き刺してしまったんです。」
「でも、俺らは正当防衛が認められなかった。そして、何も知らない世間から誹謗中傷を受けた。警察が逮捕しに来る直前に、家から逃げ出して逃亡生活を始めた。でもお金が底を尽きてからは、人から盗むしかなかった。。」
罪を犯していなくても、警察から逃げると罪になってしまう。
「そうだったんですね。私は家を2つ持っているんですけど、こっちの家は全く使っていないので、ここで生活してください。」
「本当にありがとう。でも、本当に信じてくれるの?」
五十嵐と風見は泣いていた。
「信じてます!今日から、お互いに協力しましょう。500兆円あれば、なんとかなると思うので!」
「はい。」
かすれた声でそう言った。
「もうすぐ警察が倉庫に来てしまうと思うので、何とか追い払いに行ってきます。詳しい話は後でしましょう。」
普段人を信用していなかった美弥が初めて人を信用した瞬間だったかもしれない。
しばらくして美弥は五十嵐らのもとへ戻り、500兆円事件の動機を話した。同じ誹謗中傷を受けた仲間として、気持ちを十分にわかってくれた。




