↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
500兆円事件〜時効まで、あと10年〜  作者: 名無し


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/30

盗まれた500億円③〜潜入準備編

【時効まで、あと4年】


時刻は午後2時45分、ついに湯瀬、奏太、五十嵐が動き出す。

五十嵐が急に派手に立ち上がった。

そして数歩歩くと、すぐに犯人グループの女が異変に気づいた。


「どこ行くの?」


銃を五十嵐に向けて近づいてきた。


「喉が渇いたから、自販機で飲み物を買ってくる。それくらいいいだろう。」


「私が買ってくる。」


「俺は自分で選びたいんだ。」


「わがまま言うな。お前らはここから一歩も出させない。」


五十嵐はため息をつきながら財布を取り出した。

そこから小銭を10枚ほど出し、女の方に優しく転がすように投げた。


「お茶と水を1個ずつ。200mlな!釣りはいらねぇ!」


そう言い放ちながら。


「お前、調子乗んなよ。」


女は必死に全ての小銭をしゃがんで拾おうとした。

銃を脇に挟みながら。

その瞬間、奏太が素早く立ち上がり、女の首に手を回した。


「動くな。銃を下せ。」


奏太の手には鋭い針のコンパスが。

女は冷静な顔を保って少し考えてから、銃を離した。


「ゆっくり立ち上がれ。」


奏太と女は立ち上がると、奏太は足元にある銃を蹴って湯瀬刑事のもとへ送った。

湯瀬刑事は素早く銃を拾い上げると、女の方に向けた。


「奏太、離れていいぞ。」


奏太が完全に女の元から離れてから、尋問を初めた。

「手を挙げろ。そして指示に従え。

お前のスマホで仲間に計画を中止するよう連絡しろ。」


「断る。」


手は挙げたが、女は怖がっていない。


「お前は今、人質になっている。下手したら殺されると思わないのか?」


「私たちは目的を達成すれば、殺されても構わない。」


「目的って、Cherryに復讐することか。」


「そうだ。」


「あいつを特定して警察に突き出した方が復讐になるんじゃないか?」


「残念ながらCherry本人の特定はできていない。一部の金のありかしかわからなかった。」


女が人質になっていることに気づいた仲間たちは、食堂の入り口まで来た。

湯瀬刑事は威嚇で天井に向かって銃を発砲し、仲間が入ってこれないようにした。

五十嵐日向は泣いている赤ん坊を抱いていた。


湯瀬刑事は尋問を続けた。


「Cherryについてわかっていることを全て話せ。」


「あいつは、500兆円を複数の場所に分けて保管している。」


「その場所は?」


「我々は一ヶ所しか特定できなかった。」


湯瀬刑事は頼りない情報しかないことに少しイライラした。


「その一ヶ所をどうやって特定したんだ。」


「リーダーの水無瀬航が特定した。私はそれには関わっていない。指示に従っただけだ。」


「そうか。」


湯瀬刑事は、水無瀬歩は自分が逮捕したことを犯人たちに言うと、何されるかわからないと思っていたが、ここはもう言うしかないと思った。


「水無瀬歩を逮捕したのは俺だ。」


その言葉に女は少しだけ反応した。

「話を聞いたとき、言ってたんだ。悪霧に妹がいるって。もしかして君は水無瀬歩の妹か。」


それを聞いていた恵都が口を挟んだ。


「苗字が珍しかったから、たまたまニュースで見たのを覚えているんだけど、銀行強盗で逮捕された‥えっと、たしか名前は‥」


「水無瀬未来。」


「それだ!」


女はなぜか少し嬉しそうだった。


ーーそう、人質にとっている女は歩と航の妹。

水無瀬未来だった。


「悪霧は歩が死んでから、五人になった。メンバーは私と兄と、従兄弟の水無瀬哉太、大翔、絢斗。」


優香も五十嵐夫婦も彩芽も、あの模倣事件で初めて歩を知ったのであり、それ意外のメンバーは全く知らなかった。


「私はつい最近、釈放された。でも、その時にはもう、歩はいなかった。この事件は歩との、悪霧全員との約束を果たすことになる。」


従兄弟の水無瀬哉太、大翔、絢斗はあの模倣事件に関わったが、歩よりは罪が軽く、執行猶予付きで少し早く釈放されていた。




ーーその頃、時効clearの梅林と蝉丸が大阪のヘリコプター乗り場に来ていた。

自腹でヘリコプター代を出し、あの飛行船に乗り込むつもりだ。

ヘリコプターが到着し、2人が乗り込もうとしたところ。


「私も行く。」


その低い声の方へ振り返ると、そこには仮面を被ったCherryの姿が。


「先日は、ラップバトルの申し込みを受け入れていただき、感謝しております。」


「Cherry!?本物!?」


梅林と蝉丸が口を揃えた。


「偽物と思っていただけると光栄です。」


2人はまだ現実が受け入れられていないようだ。


「警察を呼んで!Cherryを逮捕させるために!」


梅林はスマホを取り出した。


「私は協力をしに来ました。」


CherryもiPadを取り出し、ネットニュースの画面を見せた。


「この通り、自衛隊のヘリが飛行船に接近すると、全て同じ目に遭ってます。」


そう、SATや自衛隊のヘリが何機も飛行船に乗り込もうとしているが、いずれも追い払われ、失敗していた。


「私は悪霧の情報を全て盗んでいます。その情報をお二人に共有すれば、裏道から接近することができると思います。」


「それを信じろと言うの?」


「そうです。」


しばらく時効clearとCherryは真剣に睨み合った。


「犯罪者は悪魔じゃないと言ってましたよね。」


その追い討ちの言葉に対して梅林は言った。


「それは、、分かっている。分かっているけど、、」


そしてCherryは仮面を少しずらし、右目だけを見せた。

「この目を見ても、私を信用しないですか。」


その目は本当だと片目だけからでもわかった。


「本当にやるのか?」


「はい。約束します。」


二人は少し考えてから、結論を出した。


「分かった。乗って。」


時効clearの2人と共にCherryはヘリコプターに乗った。


「てか、どうしてここに来れたの?」


「私は全ての情報を知ったと言いましたよね。」


「まさか‥悪霧と私たちの関係も?」


「はい。」


こうして、3人は動き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。