本当に当たる占い
【時効まで、あと6年半】
危険な修学旅行が終わり、あっという間に秋になった。
金白学園高校は大学もあるため、今の美弥の成績では楽に入れる。美弥は金白学園が気に入っていたので、他校を受験する予定はなかった。
その頃、風見と五十嵐は長期間家に閉じこもっているのが苦痛になってきた。
「外に‥出たい。」
「気持ちは分かるけど、顔写真付きで指名手配されているから、かなり危険ですよ。」
「そんなの分かってる‥でも‥」
「あ、今週末、俺の祖母に会いに行くのはどう?」
「え、?」
「大丈夫、ここから遠くないし、祖母は俺らの味方だから。」
「分かりました。私もついて行きます。」
こうして3人は五十嵐の祖母の家に行った。
「そら〜!それから日向ちゃんも久しぶり!ん?そこの女の子は?」
(そういえば五十嵐の下の名前ってそらだったか。)
「時水美弥です。」
「可愛い子だね〜!さぁ、皆んな中に入って!」
(古びた家だなぁ。夜は幽霊が出そう。)
家の中は木の香りが漂い、柱や天井には長い年月を感じさせる傷が刻まれていた。
「お茶入れるから、座って待っててね。」
祖母は笑顔で台所へ向かった。
美弥は部屋を見回した。壁には古い掛け軸や、不思議な文字が書かれた札がいくつも飾られている。
(占い師か何かなのかな。)
お茶を飲みながら世間話をしていると、五十嵐が急に真剣な表情になった。
「ばあちゃん、一つだけ話しておきたいことがある。」
「どうしたんだい?」
「この子……時水美弥は、500兆円事件の犯人なんだ。」
部屋の空気が止まった。
しかし祖母は驚くことなく、美弥の顔を静かに見つめた。
「……そうかい。」
風見は少し緊張した様子だった。
「ばあちゃんだけは信用できるから話したんだ。」
祖母はゆっくりとうなずく。
【時効まで、あと6年半】
危険な修学旅行が終わり、あっという間に秋になった。
金白学園高校は大学もあるため、今の美弥の成績では楽に入れる。美弥は金白学園が気に入っていたので、他校を受験する予定はなかった。
その頃、風見と五十嵐は長期間家に閉じこもっているのが苦痛になってきた。
「外に‥出たい。」
「気持ちは分かるけど、顔写真付きで指名手配されているから、かなり危険ですよ。」
「そんなの分かってる‥でも‥」
「あ、今週末、俺の祖母に会いに行くのはどう?」
「え、?」
「大丈夫、ここから遠くないし、祖母は俺らの味方だから。」
「分かりました。私もついて行きます。」
こうして3人は五十嵐の祖母の家に行った。
「そら〜!それから日向ちゃんも久しぶり!ん?そこの女の子は?」
(そういえば五十嵐の下の名前ってそらだったか。)
「時水美弥です。」
「可愛い子だね〜!さぁ、皆んな中に入って!」
(古びた家だなぁ。夜は幽霊が出そう。)
家の中は木の香りが漂い、柱や天井には長い年月を感じさせる傷が刻まれていた。
「お茶入れるから、座って待っててね。」
祖母は笑顔で台所へ向かった。
美弥は部屋を見回した。壁には古い掛け軸や、不思議な文字が書かれた札がいくつも飾られている。
(占い師か何かなのかな。)
お茶を飲みながら世間話をしていると、五十嵐が急に真剣な表情になった。
「ばあちゃん、一つだけ話しておきたいことがある。」
「どうしたんだい?」
「この子……時水美弥は、500兆円事件の犯人なんだ。」
部屋の空気が止まった。
しかし祖母は驚くことなく、美弥の顔を静かに見つめた。
「……そうかい。」
風見は少し緊張した様子だった。
「ばあちゃんだけは信用できるから話したんだ。」
祖母はゆっくりとうなずく。
「警察には言わないよ。」
美弥は思わず息を吐いた。
「ありがとうございます。」
祖母は棚から古びた木箱を取り出した。
中には何枚もの札と、小さな水晶玉のようなものが入っていた。
夕焼けに照らされながら、美弥は胸の奥に小さな不安を抱えたまま、五十嵐と風見の後ろを歩き続けた。「警察には言わないよ。」
美弥は思わず息を吐いた。
「ありがとうございます。」
祖母は棚から古びた木箱を取り出した。
中には何枚もの札と、小さな水晶玉のようなものが入っていた。
「少しだけ、占わせてもらってもいいかい?」
「占い……ですか?」
「嫌なら断っても構わないよ。」
「いえ、大丈夫です。」
祖母は札を並べ、静かに目を閉じた。
部屋に沈黙が流れる。
数十秒後だった。
祖母の顔色が変わった。
「……え?」
札を持つ手が震えている。
もう一度並べ直す。
結果は同じだった。
三度目。
やはり同じ。
祖母は札を握ったまま、美弥をまっすぐ見つめた。
「美弥ちゃん。」
「はい。」
「今すぐ……北野奏太くんたちから離れなさい。」
美弥は固まった。
「え?」
「今すぐ。」
「どうしてですか?」
「理由はわからない。」
「わからないって……。」
「お願いだから離れなさい。」
祖母の声は今までになく切迫していた。
「このままでは、取り返しのつかない未来になる。」
部屋が静まり返る。
風見も言葉を失っていた。
美弥は困惑したまま尋ねる。
「それって……私が犯人だからですか?」
祖母は首を横に振る。
「それは、わからない。」
「じゃあ、どうして?」
「……ごめんね。それ以上は本当にわからない。」
祖母はそれだけ言うと札を箱へ戻してしまった。
帰り道。
三人はほとんど口を開かなかった。
しばらく歩いてから、美弥が五十嵐に尋ねる。
「……あの占い、本当に当たるんですか?」
五十嵐は迷いなく答えた。
「ああ。」
「でも理由も教えてくれませんでした。」
「ばあちゃんは、分からないことを適当に言う人じゃない。」
「昔から何度も人を救ってきた。」
「だから俺は信じてる。」
美弥は空を見上げた。
(奏太たちから離れる……?)
(そんなこと、できるわけない。)
しかし祖母のあの真剣な表情が頭から離れなかった。
夕焼けに照らされながら、美弥は胸の奥に小さな不安を抱えたまま、五十嵐と風見の後ろを歩き続けた。




