表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
500兆円事件〜時効まで、あと10年〜  作者: 近衛あみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/15

危険な修学旅行

【時効まで、あと7年】

右目の絵が流出したせいで、世の中は500兆円事件の話題でいっぱいだった。

(整形はしたくないな‥)


高校3年生の5月。

修学旅行で京都を訪れていた。

班はいつもの4人。

美弥、奏太、優香、恵都。

「京都最高ー!」

「まずは清水寺行こう!」

楽しそうに歩く3人とは対照的に、美弥だけはどこか落ち着かなかった。


昼過ぎ。

観光地から少し離れた山道。

立入禁止の看板が立つ古い洞窟を見つけた。

立入禁止

落盤の危険があります

「入ってみようぜ!」

奏太が目を輝かせる。

「やめようよ。」

珍しく、美弥が強く止めた。

「危ないから。」

「怖いの?」

優香が笑う。

「そうじゃない。」

美弥は洞窟をじっと見つめていた。

(……ここか。)

その場所を、美弥は知っていた。

500兆円事件の時効後に発見させる予定だった場所。

ノート。

古いパソコン。

札束。

それらには事件の計画や心情など、今見つかった困る内容が書いてあった。

もし3人に見つかれば終わりだった。

「別の場所行こう。」

しかし、

「せっかくだし探検しようぜ!」

奏太が先頭になり、

3人は入ってしまう。

美弥も仕方なく後を追った。



洞窟の奥。

一本道だと思っていたが、

枝道がいくつもある。

「迷った……。」

恵都が地図を見る。

「スマホ圏外だ。」

少し空気が重くなる。

数十分歩くと、

古びた机が見えてきた。

その上には、

・ノート

・古いノートパソコン

・札束

「なんだこれ!?」

奏太が駆け寄る。

美弥の心臓が止まりそうになる。

(触るな……!!)

しかし、

奏太の手がパソコンへ伸びた瞬間――

「シューーーッ!!」

背後から白い煙。

「え……?」

「なんだこれ……」

優香が倒れる。

恵都も意識を失う。

奏太も数秒で倒れた。

美弥も倒れたように演技をした。

数分後。

ゆっくり立ち上がる。

洞窟には静寂だけが残る。

美弥はカバンから、

黒い仮面を取り出した。

ゆっくり装着する。

そして低い声になる変声機を起動した。

「……ごめん。」

3人を縄で縛る。

これ以上証拠を見られる訳にはいかなかった。


数十分後。

奏太が目を覚ます。

「……う……。」

目の前には、

黒いフード。

そして世界中で有名になった、

500兆円事件の犯人”Cherry”の仮面。

「!!」

「お前……!」

「目が覚めたか。」

低い声が響く。

優香たちも目を覚ます。

「きゃあ!」

「Cherry……!」

恵都だけが黙って周囲を観察していた。


奏太は叫ぶ。

「美弥はどこだ!!」

少し沈黙。

仮面の人物は洞窟の出口を見る。

「ああ、あの少女か。」

「お前たちが眠った瞬間、泣きながら逃げていった。」

「……。」

「今頃警察でも呼びに行ったんじゃないか?」

奏太は少し安心した。

「そうか……。」

「無事なんだな。」

「安心した。」

その言葉に、

仮面の奥で美弥は少しだけ目を閉じた。

(……ごめん。)

美弥は証拠になるノート、

パソコン、

札束を回収する。

「待て!卑怯者!逃げるな!」

「あ?立ち入り禁止の洞窟に入った奴に言われたくないは。」

そして洞窟を出る。

人気のない場所まで来ると、

公衆電話から110番した。

「京都○○山の洞窟に監禁事件です。」

名前は告げず、

電話を切る。


数十分後。

警察が洞窟へ到着。

奏太たちは救助された。

しかし、

犯人は逃走。

「逃げられたか……。」

修学旅行先のホテル。

美弥は少し遅れて戻る。

「美弥!!」

優香が泣きながら抱きつく。

「無事だったんだ!」

「ごめん。」

「私……怖くて逃げちゃった。」

俯く美弥。

奏太は首を振る。

「いいんだ。」

「あの状況じゃ誰でも逃げる。」

「むしろ警察を呼んでくれたから助かった。」

「ありがとう。」

美弥は笑顔を作る。

「うん。」

だが心の中では、

(ありがとうじゃない。)

(私は……あなたたちを騙した。)

その夜、

誰にも気付かれないように、

一人だけ眠れなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ