97話
屋上に上がる階段に蓮を連れ込んだ。
「話しっ」
「誤解だから」
「……何が」
「前田さんとは何もないから」
何も言わずに目も合わせない蓮。
「誤解で別れるとか嫌だ」
「別れたいのは尚じゃないの?」
「だから誤解だって」
「誤解?……じゃあ説明しろよ」
「前田さんとは協力関係ってゆうかっ」
「違うだろ」
「本当だって!」
「オオカミ俺に似てんだろ?」
「……オオカミ?」
オオカミ?オオカミが蓮に似てる?
「ぬいぐるみ」
「…えっ?あっあの?」
「俺の事が好きだったら普通あげないだろ」
「ちょちょちょっと待って」
「なんか急に仲良いみたいだし」
この状況に頭が追い付かない。
オオカミのぬいぐるみを前田さんにあげた?
「俺がオオカミあげた?前田さんに?」
「塁から聞いた、前に来た時に俺に似てるからってずっと取ろうとして取れなかったから今回取れて喜んでたって、しかもラス1だったからかなり喜んでたって」
「そうだよ、取れたら嬉しいだろ」
「だったら普通あげないだろ」
「あげてないけど」
「……はっ?」
「だから前田さんにオオカミあげてないから」
蓮を睨む俺。
「見せなかっただろ」
「……なに?」
「あの日見せてって俺が言った時、手元になかったから見せれなかっただろ」
「あれはっ」
「最近なんか2人でコソコソしてるし」
誤解されたくないけど嫉妬している蓮が愛おしい。
「そんなに嫌?俺が誰かと仲良くするの」
「……別に」
「俺は嫌、蓮が俺以外と仲良くするの」
なんとも言えない表情で俺を見る蓮。
「ってゆうかこんな事になったのも蓮のせいだし」
「俺のせい?」
「蓮が俺に愛情表現しないからだろ」
「好きってっ」
「言葉は沢山もらってる」
「……だからっ」
「蓮の気持ちは嬉しい、でも俺はずっと何年も片思いしてやっと恋が実った高校生だよ、言葉だけじゃ満足できないって、それは蓮も一緒でしょ」
俺に視線を合わせない蓮。
「触りたいし触られたいしキスしたい、なんで付き合う前はできたのに付き合ったらできないの、そんなの変じゃん、だったら付き合う前の方が俺は良かった」
「尚」
「大切ってなに、触らない事が大切にしてるって事なの?だったら付き合う前に触ってたのは?俺は付き合う前もちゃんと蓮に大切にされてるって思ってた」
蓮の瞳が俺を見た。




