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90話

俺も蓮の元に戻る。



「火傷した指っ」

「大丈夫…先生に言うから」

「…蓮?」



蓮が家庭科教師の方に行ってしまった。



「勘違いさせちゃったか」



前田さんが複雑な表情で蓮を見て言った。



「あの…前田さん?」

「私しか気づいてないと思うし大丈夫だから、それより黒澤君、思ってたより嫉妬深いんだね」

「ちょまっ……もしかしてっ」

「私BL好きだからわかっちゃうんだよね」

「…BL?」

「ボーイズラブ」



ビックリして前田さんを見る。



「推し2人が付き合ってくれて私的には最高な展開なのにまさか私が地雷を踏んでしまうとは」



なんだか楽しそうに独り言を話す前田さん。



「ちょうど2人きりだったしいいかと思ってアドバイスしたけど移動せずあの場で言えばよかったか」

「そこまで怒ってないと思うよ」



蓮に目を向けると目が合ったのにすぐ逸らされた。



「めちゃめちゃ怒ってるじゃん」



前田さんの言葉に苦笑いするしかない俺。



「とりあえずハンバーグ進めないと」

「やっとくから滝本君は黒澤君と保健室行って」



前田さんの言葉を聞いて蓮に視線を戻すと蓮は家庭科教師から保健室に行くように言われていた。



「でも俺怪我してないし熱っ!」



前田さんがフライパンを軽く手に当ててきた。



「おい!」

「先生!滝本君も手にフライパンが当たったので黒澤君が保健室行くなら滝本君も一緒に保健室に!」

「じゃあ2人で手当してもらってきて」



俺は前田さんに手を焼かれ保健室に行く事になった。


廊下を歩く気まずい雰囲気の蓮と俺。



「どんなタイミングで火傷してんだよ」



蓮に言われて火傷した場所を見る。



「しかも手の甲って」

「……前田さんにやられたんだよ」

「はあ!?」

「声でかいって」

「そりゃビックリするだろ!」

「俺が1番ビックリだから」

「まっまぁな」



ガラガラガラ……


保健室に着いたけど保健医が居なかったから内線で呼び出して保健医が戻るのを待つ。


なんとなくイスに並んで座るけど目は合わせない。



「さっきの話だけど前田さんにわざとされたわけ?」

「誤解すんなよ」

「……誤解?」

「前田さんとは何もないから」

「何もないって何もないのに熱いフライパンっ」

「それは俺を保健室に行かせるためだよ」

「……は?保健室送りにしたかったって事?」

「ちょっと意味は違うけど」



何も話さなくなった蓮。

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