82話
その後もいろいろ聞かれたけど蓮がうまく返してくれたおかげで詳細は話さずに済んだ。
「尚のトマトパスタ俺にも食わせろ」
食べ物が全て揃って食べ始め30秒。
拓哉が当たり前のように言ってきた。
「やだ」
「なんで」
「今食べ始めたばっかだから」
「ケチ」
「はあ?じゃあ絶対あげませーん」
「コイツ心狭くない?何がいいわけ?」
拓哉が蓮に聞いた。
蓮の返事が気になる俺。
「秘密」
秘密ってなんだよ!?言いにくいのか?言いたくないだけか?照れてんのか?なんなんだよ!
「逆に塁は拓哉の何がいいわけ?デリカシーないし自分勝手だしうるさいしうるさいしうるさいし!」
拓哉に挑発的な目を向ける。
「お前マジ喧嘩売ってんな」
「お前が先だろバーカ」
「はぁ…お前ら2人ともうるさい」
塁に睨まれた拓哉と俺。
「………どこだよ」
拓哉が急に変な事を言った。
「なんて言った?」
「だから……塁の俺が好きなとこ………どこだよ」
恥ずかしいのか不安なのか自信なさげに聞く拓哉。
真っ直ぐ拓哉を見る塁。
「そんな事聞かれてもどこがとか1番とかないから」
「…そっか!」
笑顔だけど少し悲しそうな拓哉の表情。
「全部」
「…えっ…はっ……」
こっちが恥ずかしくなるような塁の答え。
蓮と俺の目が合う。
「食事やめて今すぐ解散しよ!」
拓哉が満面な笑みで提案した。
「なんでだよ」
塁が呆れた顔で拓哉に聞く。
「塁が欲しくなった!」
食事中になんて事を言い出すんだこの男。
「簡単にはあげないし早く食べなさい」
「無理!ねぇ無理!」
「うるさい」
拓哉を突き放しながらドリアをスプーンで掬う塁の横顔はすごく優しかった。
食事も終わり目的を失った3人と目的を得た男で今からの予定を話し合う。
「どうしよっか今かっ」
「解散しよ」
声がした方にみんなの目線が集まる。
「蓮?」
拓哉ではなく蓮だ。
「ちゃんと話さないとだから」
「………へっ?…えっ!今から!?」
「じゃあ仕方ないか」
塁が納得したように頭を縦に振る。
塁!待って!無理!心の準備が!
目でまだ居て欲しいと塁にメッセージを送る。
「なーお」
蓮が俺の名前を呼ぶ。
「……はい」
「約束したよね」
「はい」
俺も覚悟を決めた。
「じゃあ解散って事で塁は俺ん家来るよね?」
「行かない」
「はっ!なんで!」
「絶対襲うだろ」
「当たり前じゃん!」
「じゃあ行かない」
「なんで!俺たち恋人っ」
「じゃないよね」
「……それは塁がっ」
「とにかく今日はもう帰る」
「無理」
「帰る」
「無理」
2人の言い合いを見ていたら蓮に腕を掴まれた。




