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81話

甘い!蓮が甘い!甘すぎる!


急いで蓮に駆け寄り腕にしがみつく。



「置いて行くなよ!」

「ごめんごめん」



そう言いながら蓮は頭を撫でた。


キュンキュンしすぎてキュン死する!



「なんか食べ……帰ってからイチャつけ」



振り返った拓哉が呆れた顔で俺たちを見た。



「やっぱ無理」



塁も振り返って俺たちに言った。



「えっなに」



急に不安になる俺。


真っ直ぐ俺たちに向かって歩いてくる塁。



「拓哉あげるから尚貸して」



塁に腕を引っ張られ蓮と拓哉が居ない方向に歩く。



「は?塁!俺の隣だろ!おい!」



拓哉が慌てて叫ぶ。



「映画館で何があったか聞かせて」



塁が嬉しそうに俺に聞いた。



「えっ?」

「後で聞こうと思ったけど無理」

「あぁ!さっきの無理はその事か!」

「とりあえずファミレス入ろ」



塁に腕を引かれてファミレスに入った。


俺と塁が隣で蓮と拓哉が向かいの席。



「さて何から話してくれますか?」

「……………何からってっ」

「尚に襲われた話?」

「はっ!襲ってないだろ!」



蓮が意地悪な顔をしながら俺を見て話す。



「あれは襲ってるでしょ完全に」

「尚が映画館を汚すような奴だったとは」



拓哉が引いた顔をしながら俺に言った。



「違うあれは塁がっ」

「尚」



名前を呼ばれただけなのに塁から圧を感じた。



「ポップコーンが落ちたから拾おうと思って」

「んで蓮の股間を弄ったと」

「弄ってないから!」

「じゃあ何したわけ」



拓哉からの尋問が続く。



「少し太ももに触っただけ?かな?」



俺の発言を聞いて塁と拓哉が蓮を見る。


蓮は天井の隅にずっと目を向けたまま動かない。



「違うみたいですが」

「おい!お前も何か言えよ!」

「急に握られた」



なっ!はっ!お前!それ言うか!?


ビックリしすぎて口は動いていても声は出ていない。


塁と拓哉が勢いよく俺を見た。



「違う!違わないけど違う!違う!」

「違わないなら握ってんじゃん」

「そうなんだけどそうじゃないってゆうか」



塁と拓哉を交互に見ながら釈明する。



「まぁ後は俺らの秘密で」



蓮の声に反応して目を向けた。


俺と目が合った瞬間にウインクをした蓮。



「ぬっ!」



撃ち抜かれた心臓。



「えっわっ私!」



背後から囁き声がして振り向くと注文した物を持った女性店員が心臓を撃ち抜かれていた。


状況を把握した俺は蓮を睨みつけた。



「怒った顔まで可愛いよ、なーお」



蓮の言葉を聞いて自分に向けられた合図ではなかったと理解した女性店員は物をテーブルに置いて足早に去って行った。

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