80話
全く内容が頭に入っていないまま映画は終わった。
「思ったよりよかったよな!」
ロビーで待つ蓮と俺に大声で叫びながら現れた拓哉。
「大声で思ったよりとか言うな!」
俺は急いで拓哉に怒鳴る。
「バーカ」
塁が拓哉の頭を軽く叩いた。
2人と合流して4人で目的もなく歩き出す。
「最初どんな映画よって思ったけど途中から引き込まれたってゆうかあのシーンよかったよな!」
「どこのシーンだよ」
なぜか不思議な並びで拓哉と俺が蓮と塁の後ろに並んで歩いている。
「え?後半のマンホールの途中」
「…………そうだっけ?」
「逆にあのシーン以外ある?」
「ああ!あのシーンねっ!」
急に拓哉が立ち止まったから俺も足を止めた。
拓哉に視線を向けると死んだ目で俺を見ている。
「なんだよその目」
「場所考えろよ思春期男子」
「はあ!なにが!?」
「んでどこまでよ」
「だからなにが!!? 」
「まさか最後までっ」
「やってねぇ!……ちょっと触ったくらい」
「俺誰もお前らがどこまでやったかなんて聞いてないですぅ〜どこまで観たのか聞いただけですぅ〜」
「はあ!?」
「イヤらしい子」
「はあ!!?」
「お前ら声でかい」
蓮が目を細めながら注意した。
「えっ!あっ!」
「後で聞くから尚ちゃん」
塁が嬉しそうに俺に声をかけた。
「なーお」
「……へっ?」
「俺らの秘密ね」
「ふぎゅっ」
甘い!蓮が甘い!
俺らを見て笑顔の塁。
「映画館ってのは映画を観るとこであっ」
「うるさい、拓哉だけだから真剣に観てたの」
塁か拓哉の事を睨みながら話す。
「確かに途中から引き込まれた」
蓮が拓哉に賛同した。
「だよな!蓮ならわかってくれると思った!」
「途中から観れてないからDVD出たら観ようかな」
「俺も観たい!」
「じゃあ一緒に観る?」
「よっしゃ!さすが友!」
拓哉と蓮がManhole of Loveで盛り上がる。
塁は呆れた顔で拓哉と蓮を見ている。
「観る時は尚も一緒な」
蓮が俺を見ながら強制参加を宣言してきた。
「俺?俺は別にっ」
「拓哉と2人は勘弁して」
「はあ!?なんで!俺観る邪魔せんし!!」
「邪魔ってゆうか空気感?」
「酷っ!俺泣くぞ!!」
「冗談だよ」
蓮が意地悪く拓哉を見て笑った。
「もう拓哉うるさいからこの話は終わり」
塁が強制的に話を終わらせようとした。
「俺悪くないだろ!」
「はいはいわかりました」
塁が拓哉の背中を押して歩き出し並びが変わる。
「拓哉ってかなりの映画好きだったんだな」
隣に立った蓮に話しかける。
「まぁね」
「この後どこっ」
「俺は尚とだったら2人で観たいけどね」
………へ?今……えっ…なに!今のなに!!
蓮は俺を置いて歩き出した。




