79話
「キスしよ」
スクリーンから蓮に目を向ける。
無意識に出た言葉。
少し冷たい目で俺を見る蓮。
「いいよ」
蓮が俺の唇を見つめながら顔を近づける。
俺も蓮の唇を見つめながら重なるのを待つ。
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あと3cmくらいのところで蓮が止まった。
「…ん?」
なぜ蓮が止まったのかわからない俺。
「やっぱりしない」
…無理……しないなんて無理………
蓮の唇に自分の唇を近づけるも蓮は顎を少し引く。
「…して」
「そんなにしたいの」
「したい」
「……わかった」
再び近づいてくる蓮の唇。
「でも俺じゃなくてっ」
また止まりかけた蓮。
「蓮じゃないと嫌」
蓮の瞳は激しく揺れた。
「俺は蓮とキスしたい」
戸惑った表情の蓮。
「勘違いだから」
「…………なにがっ」
「蓮じゃなくてもいいって俺言ってないだろ」
視線を少し逸らし何か考えている蓮。
「お前以外無理だから」
「…えっ……」
「俺がキスしたいのも触りたいのも蓮だけだから」
告白する気はなかった。
ただ俺が我慢の限界だった。
「ちょっと待って」
寄せた顔を離そうとする蓮の胸元を掴んだ。
「待てない」
「頭がっ」
「待たない」
蓮が動けないように力を込める。
「尚っ」
「もっと呼んで、全然足りない」
「本当にどうしっ」
「我慢できなくさせたのは蓮でしょ」
「……尚っ」
「してくれないならするだけだから」
蓮の後頭部に片手を回し避けられないように固定しながら蓮の唇に自分の唇を重ねた。
でも今の俺は子供みたいなキスじゃ足りない。
蓮の下唇を唇で優しく挟み蓮を味わう。
………チュピッ………チュッ…ッ………チュピッ……
気持ちがどんどん溢れて止まらない。
……ッ……チュピッ……
胸元を掴んでいた手をゆっくりボタンに移動させる。
………チュピッ………チュッ…ッ……
1つ目のボタンを外す事ができた。
2つ目に移動しようとした瞬間手を掴まれた。
思わず重ねていた唇を離す。
「場所考えないと」
言われて思い出す…………ココ…映画館だ。
「ごめん」
「後でちゃんと話そう」
「………うん」
スクリーンに目を向ける蓮。
冷静になるとどんどん恥ずかしさが押し寄せてくる。
俺も急いでスクリーンに目を向けた。
「………大丈夫か?」
言葉の意味がわからず蓮に視線を戻す。
「なにが?」
前を向いたまま俺の返事を聞く蓮。
「ココ」
俺の下半身を指差した蓮。
「…あっ……」
俺の下半身にある大事な部分に蓮の指先が触れた。
「ごめん!触る気はっ」
「バカ……まだ蓮に興奮してるから」
「…煽んないで……可愛すぎ」
心臓を直接握られたくらい苦しい。




