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75話

「戻ったよ」



塁が再びトイレに入ってきた。



「だいぶ落ち着いた」

「蓮が薬買ってくるって言うから大丈夫だって言ったけど全然話聞かなくて今買いに行ってる」

「……マジか」

「あの感じ絶対好きだと思うんだけどなぁ」

「普通に話しかけてくるし頭クシャクシャとかしてくるから俺もうわけわかんなくなった」

「やっぱ尚に友達じゃないって言われた事にショック受けてるだけなんじゃない?尚が告白ってゆうか誤解解いたら絶対大丈夫だって」

「でも蓮が友達として俺を好きだったら俺が蓮を好きって知ったら引くかもしんないじゃん」

「……まぁ…でも友達として好きな奴とお風呂でイチャイチャしないでしょ、大丈夫だって」

「でもっ」



バタンッ……



「大丈夫か?薬買ってきた」

「ありがとう」

「とりあえず出れそうだったら出て先に飲んだ方が早く楽になると思うけど出れそう?」

「今出る」



危な!トイレな事忘れてた!


個室から出ると蓮と塁が立っている。



「泣くほど痛かったのか」

「えっあっうん」

「いつから?靴見てた時普通だったよな?」

「試着してる途中…から?」

「何か合わないもの食べたとか?昨日の肉が生焼けだったとか?途中何か口にした?」

「大丈夫!もう大丈夫だから!」

「本当か?」

「本当だって!全部出したから!」

「とりあえず水買ってきたから薬飲んで」

「あっありがとう」



蓮の後に見える塁が優しい表情で俺を見ている。



「もう大丈夫だから拓哉と座ってていいよ」



実際腹痛はないから薬は飲みたくない。


なんとか蓮を外に出したくて頭をフル回転させる。



「俺は大丈夫だから塁行ってやって」

「えっあっ俺?俺はトイレしたいから蓮っ」

「じゃあトイレ済ませたら行ってやって」

「あー…そうだね」



塁がごめんポーズをして小便器に向かい事を済ませて手を洗ってトイレを出て行った。



「はい水」

「ありがとう」



とりあえず1口飲む。



「はい薬」

「………いやぁ…」

「ん?飲みたくない?」

「俺腹痛に効く薬って嫌いだからさ」

「え?普通に薬飲めるじゃん」

「腹痛薬を蓮の前で飲んだ事ないだろ!」

「あるけど」

「……あれぇ〜…あったっけぇ〜…」

「なに」

「え?」

「飲みたくない理由は?」

「別に嫌いなだけっ」

「だったら飲め」

「……うっ」



蓮の鋭い眼光に胸が高鳴る。


ゾクゾクして全身に鳥肌が立った。

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