59話
「だったらなに」
「……へ?」
「嫉妬だったらなに」
「蓮?」
腕を強く引っ張られて体が浮く。
1人分のスペースは無くなった。
「お前どうしたんだよ」
「あんなの目の前で見せられたらっ」
「あっ、お前が言える立場ですか」
思い出した、あーーーー思い出した。
今でも思い出したら腹が立つ。
「膝の上に隼人さん乗せてあんな距離感で上半身脱がせてなにしようとしてたんだか」
「あれは筋トレっ」
「お前筋肉あるんだから必要ないだろ」
「なに、嫉妬?」
「は?」
「そんなに隼人さんの事好きなんだ」
「…………は?」
「もういいよ……わかった」
立ち上がろうとする蓮の両肩に腕を乗せると同時に蓮の膝上に横向きで座った。
「なにがもういんだよ」
何も言わない蓮。
「いつ俺が隼人さん好きって言った?」
「言ってはないけどっ」
「勝手に勘違いされてディスられて俺可哀想」
「別に勘違いっ」
「してんだろ勘違い、隼人さんとキス?誰が?してねぇしイケメンって言ったら好きって事になるのかよ、だったらお前だって隼人さんの事イケメンって言ったじゃねぇか、あーーだからか、自分がイケメン=(イコール)好きだから俺も隼人さんが好きって勘違いしたのか、だったらお前と一緒にすんじゃねぇよ」
腹が立つ。
俺がどんだけお前の事好きだったかわかるか?何年思ってかわかるか?一瞬でお前の気持ち持っていかれた俺の気持ちがわかるか。
「じゃあ、いつ言った」
「なにが」
「俺が隼人さんをイケメンっていつ言った」
言っていない、確かに蓮は言っていない。
「だったら蓮は何に嫉妬っ」
「尚だろ」
……………え?
「ごめん、この話はやめよう」
蓮が……俺に嫉妬……
「先に体洗うから降りっ」
「降りない」
「……………は?」
「降りない」
「尚が降りないとっ」
「嫉妬の意味聞きたいから降りない」
蓮の答えを待つ。
「…………友達っ」
「は?」
友達として嫉妬した?
俺がこんなに嫉妬で狂ってんのに友達として?
「………なんだよそれ…」
俺は蓮が同じ気持ちだったらって期待したのに。
「お前、友達じゃねぇから」
「……尚…」
「お前の事、友達と思った事ねぇから」
蓮と至近距離で見つめ合う。
「友達じゃなかったらなに」
「それは、いろいろあるだろ」
「いろいろってなに」
「とにかくっ」
「話変えようとしても無駄だから」
「別に変えようとはっ」
「じゃあなに」
もぅ隠すの無理かもしれない。




