47話
「拓哉さんの事これからもよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
拓哉は愛されてる。
昔友達が離れていったとか言ってたけど何もしらないで離れていくような奴らなんか逆にいらないだろ。
ちゃんと拓哉の傍には拓哉を愛してる人がいる。
「尚?」
拓哉の部屋から蓮が出てきた。
「その人誰?」
「組の人、挨拶に来てくれようとしたみたい」
蓮が歩きながら男性に視線を向ける。
「こんにちは」
男性が蓮に挨拶をする。
「こんにっ」
「虫!」
飛んできた虫にビックリした俺。
蓮の挨拶を遮ってしまった……すまん蓮。
虫がそのまま男性に突進していく。
パシッ……
男性に当たる直前に蓮が叩き落とした。
「大丈夫ですか?手、当たってませんか?少し髪に触れてしまった気がするんですけど」
男性の前髪を少し触って確認する蓮。
俺も男性の事が心配になり男性の顔を確認する。
「大丈夫だよ、ありがとう」
知ってる……この瞳…
「こいつ虫嫌いなんで騒いじゃってすみません」
「私も虫は得意じゃないから助かったよ」
「虫嫌いなんですか?平気そうに見えるのに」
「虫とオバケは苦手なんですよ」
「なんか意外すぎてっ」
「ってゆうかそろそろ部屋戻ったほうがよくない?」
2人の会話に割って入る。
「引き止めてしまってすみません」
「全然大丈夫ですよ」
「あの、お名前聞いてもいいですか?」
俺には聞かなかったのに蓮には聞くんだね。
「尚です、こっちは蓮」
ビックリした表情で俺を見る男性。
「えっあっ尚さんと蓮さんですね、私は隼人と申します、拓哉さんとこれからも仲良くしていただけたらと思います、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
蓮が優しく微笑むと同時に隼人さんの瞳が揺れた。
天然たらしフェロモン源泉現代メドゥーサ。
「行くぞ」
蓮の腕に自分の腕を絡ませ強引に歩き出す俺。
「では他の方と拓哉さんに挨拶だけ」
後を付いてくる隼人さん。
「蓮、さっきは倒してくれてありがとう」
「ん?あぁ別に」
「やっぱ虫って怖いよな」
「虫からすれば尚の方が怖いだろうけどね」
「これから夏になると虫増えるし嫌だな」
「まぁ倒せる時は倒すから安心しろ」
「俺らずっと一緒なんだから常に倒せよ」
「はいはーい」
少しだけ後を見る。
自分は嫌な奴だって自覚はある。
ただ嫌な奴って思われても蓮は譲りたくない。
隼人さんは真っ直ぐ前を向いて歩いていたようで俺の視線に気づいて俺に視線を移すと優しく微笑んだ。
……俺…………マジガキじゃん…




