46話
「お母さん嬉しくってケーキ焼いちゃった」
「恥ずかしいからやめてくれ」
嫌そうな事を言いながらどこか嬉しそうな拓哉。
「ケーキは部屋で食べるから」
「一緒に食べっ」
「百合、拓哉に迷惑かけない」
「……はーい」
少しでわかる家族の仲の良さ。
蓮の事が気になり蓮を見る。
「ん?」
いつもと変わらない蓮…のフリ。
「バーカ」
みんなには聞こえないように悪口を言う。
「はあ?」
蓮も聞こえないように答える。
「はい、イチャイチャしない」
拓哉が意地悪く言う。
「うふっ、お似合い」
勘違いしてしまった拓哉のお母さん。
「違いますから!全然そんなんじゃっ」
「そんなに全力否定していいの?」
塁の言葉で蓮を見る。
「腐れ縁ってだけですから」
蓮の言葉にショックをうける俺。
先に否定したのは俺だ。
「ちなみに塁君は彼女っ」
「変な事聞くなよ」
急に怒ったような声の拓哉。
「拓哉が怒ってるぞ百合」
「ごめんなさーい」
なんとなく気まずい空気になった部屋。
「そもそも拓哉が変な事言ったからだろバーカ」
俺の口が勝手に動く。
「はあ!誰がバカだよ!」
「勘違いさせたお前が悪い!」
「俺悪くないし!」
「お前らやめろよ」
蓮の声で我に帰る俺と拓哉。
「良い友達ができたな」
拓哉のお父さんが拓哉に笑いかける。
「まあな」
拓哉がそっけなく返事をした。
それを嬉しそうに見つめる拓哉のお母さん。
なぜか俺まで嬉しくなった。
しばらく経って拓哉の部屋に移動する。
「拓哉さん」
廊下で組の人?に呼び止められる。
「お風呂なんですがみなさんご一緒に入られますか?それとも2人ずつか1人ずつですか?」
「どーする尚ちゃーん」
「べっ!別々に決まってんだろ!」
「じゃあ4人で入るわ」
「おい!」
拓哉がニタニタしながら俺を見る。
「いつでも入れるように準備しておきます」
「よろしく」
なんか偉そうだなコイツ。
部屋に入ってゲームをして時間を過ごす。
「俺ちょっとトイレ」
「通った廊下を戻って突き当たり左な」
「へーい」
拓哉の部屋を出てトイレを済ませる。
途中廊下から見えるバカデカい庭を眺める。
「デカすぎだろ」
「拓哉さんのお友達ですか?」
声がした方に目を向けると若い男性が立っている。
「あっそうです、こんにちは」
「今日は来てくださりありがとうございます」
「いえいえ、急にすみません」
「他のお友達は拓哉さんと?」
「はい、俺はトイレで」
「では一緒に行って挨拶させていただいても?」
「大丈夫ですよ、行きましょう」
拓哉の家に居る人はみんな礼儀正しくて優しくて拓哉が怖がらなくて大丈夫とか言っていたけど全然そんな事思いもしない。
「あの」
歩き出そうとした瞬間に続けて声をかけてきた。
「はい」
再度その人に目線を向けた俺。




