37話
「蓮さぁ」
「ん?」
「経験的なって前に言ってたじゃん」
「ん?そうだっけ?」
「言った」
「ごめん覚えてない」
自分が言った事ぐらい覚えてろよ。
「経験あるんだよね?」
「なんの?」
「経験って言ったら経験だろ」
「あーーーさっきの?」
「…そう」
「好きな人抱きながらっ」
「違う違うそっちじゃない」
「わかってるわかってる冗談だって」
何笑ってんだ目潰しするぞ!
「抱いた事あるかって話でしょ?」
そんなハッキリ言われると恥ずかしい。
「なんでそんな事聞くの?」
「どうなのかなって」
「教えない」
「はっ!なんで!」
「別に?なんとなく?」
「じゃあ教えろよ!」
「気が向いたら」
「はあ!?言え!今すぐ言え!」
「イヤです」
気になって絶対寝れないけどもういいや。
「じゃあ…DVDとか見た事はあるだろ?中学の時誰から始まったかしらないけどみんな借りてたじゃん」
「あるよ」
わかってる…そのくらい普通の事だし…でも…
「ムカつく」
蓮を睨む。
「楽しかった?」
「別に楽しむもんでもないだろ」
「女優は綺麗だった?」
「さぁ」
「………興奮した?」
俺を見つめたまま黙る蓮。
「尚さぁ、そんなに見たいなら見れば?」
「………………は?」
「興味あるけど見た事ないからって腹立てるくらいなら持ってきてんだし今見ればいいじゃん」
勘違いしてやがるコイツ!
「別に見たくねぇって言ったろ」
「実際俺にブチ切れてんじゃん」
「別に俺が見た事ないからとかっ」
「じゃあなに」
蓮が女の体見た事が嫌だったなんて言えない。
「そんなんじゃないから」
「じゃあなんでそんなに怒ってんの?」
今までだったら言わないまま終わらせてた。
けどそれじゃダメなんだよな。
「嫉妬しました」
「嫉妬?DVDを見た俺に?」
「DVDを見たってゆうか……んー…」
「DVDを見た事がある俺が尚より大人と思ってる?」
「そうじゃないけどそれもあるけど」
「尚?ちゃんと言わないとわかんないんだけど」
どんなDVDだった?女優さん綺麗だった?
聞いてもまたはぐらかすんだろ。
「キスしてた?」
「まぁ」
「最後まで見た?」
「…まぁ」
「そっか………興奮したんだ」
自分で聞いといて傷つくバカな男です。
「興奮しなかったかな」
「えっはっ!?」
「別に見る人全員が興奮するわけじゃないでしょ」
「でも中学生男子の初エロDVDでしょ!」
「それでもしない奴はしないだろ」
でもたまたまタイプの女じゃなかったからってパターンだろうし他のDVDじゃ違うかもだし。
「他のは?」
「その1本しか見た事ないけど」
「んーーーー本当かな?」
「尚が持ってきたやつ見たら2本目になるけど」
「見せません!」
……………ドスッ
DVDが入っているカバンを遠くに投げた。




