35話
「風呂沸いたけど尚先入る?」
「蓮からでいいよ」
「今日は尚から入って」
「じゃあ一緒に入る?」
…………シーーン…
冗談、いや本気でもあるけどこの空気キツいって!
「冗談やんか!なんか言わんかい!」
「それもいいなって思って」
えっ……蓮も一緒に入りたいって思ってくれた?
「冗談」
「わかっとるわ!ほな先いただきますーー!」
カバンから着替えを取り風呂に入る。
恥ずかしい…俺1人で浮かれて落ちてテンパって…
少し長風呂をして頭を冷やしてリビングに戻る。
「なーおーちゃん」
「…ん?」
「ここに座って」
「おっ!髪乾かしてくれるん!」
ソファーに腰掛ける蓮の前に座る。
「…………………えーっと…」
テーブルの上に置かれたDVD。
「何コレ」
「なんだろコレ」
「知らないDVDが入ってたのかな?」
「誰のだろうね」
「カバン尚の部屋にあったよね?」
「………そうだね」
「お父さん1ヶ月くらい家にいないよね?」
「…………はい」
「コレ2週間前くらいに出たやつだよね?じゃあお父さんのじゃないよね?男はお父さんと尚だけだよね?」
「…………はい」
「じゃあ尚のだよね?」
俺のじゃないけど俺の持ち物ではあります。
「今日俺と一緒に見たいって持ってきたわけ?」
「そうじゃないけど……って待って」
「なに?」
「2週間前ってなに?」
「ん?」
「なんで2週間前に出たやつって知ってんの!」
「あーそれはっ」
「エッチ!ドスケベ!」
「尚ちゃんに言われたくないんですけど」
やっぱり女の子が好きなんだ……辛いな…
「坂田が新作とか言って見せびらかしてたじゃん」
坂田とは俺の2つ前の席の奴。
「え?」
「女子かなり引いてたの知らない?」
「……知らない」
いつそんな事あった?俺はなぜ知らない?
「それで?」
「…へ?」
「一緒に見たいわけ?」
「別に見たいわけじゃっ」
「尚が一緒に見たいなら見るけど」
エッチなDVDを見ている蓮を見て見たいような。
「坂田がこの女優めっちゃエロいっ」
「見るわけないだろバカ」
DVDを手に取りカバンに入れる。
そんなん見せません!女の体?見せません!女の裸見て興奮してる蓮見て何が楽しんだ俺は!
「ってかなんでDVDある事気づいたわけ?」
「尚がお風呂入る時カバン開けて行ったんじゃん」
「あーそっか、ごめん」
うん、俺はバカだね。
「尚もDVD見たりするんだね」
「俺のじゃないから」
「ん?じゃあ誰の?」
「あーーー…拓哉の」
「拓哉?なんで拓哉が?」
ごめん拓哉、明日ちゃんと謝罪します。




