34話
テーブルに並べた晩御飯。
「美味しそう」
「俺が作ったんだから美味いに決まってんだろ」
「いただきます」
今日も美味しそうに食べてくれる蓮。
「尚ちゃん」
「ん?」
「そんな見られると食べにくいんだけど」
「えっあっごめん」
いつ見ても見飽きない。
「ドレッシング取って」
蓮の前に置かれたドレッシング。
「どうしよっかなぁ」
意地悪な笑顔の蓮。
「そうゆうのいいから早く」
可愛いとか思っちゃうからやめてくれ。
「もっ」
自分で取ろうと少し立ち上がってドレッシングに手を伸ばす、ドレッシングを掴んだ蓮の手に俺の手が重なった。
「ちゃんと取るって」
少し拗ねた顔も愛おしい。
「尚?渡すから離して?」
「どうしよっかなぁ」
意地悪な事を言いながら握る手を少し強めてみる。
「なにやってんだよバーカ」
もしかして今動揺した?
楽しくなった俺は人差し指で蓮の手をなぞる。
「おい」
平気そうな声だけど表情までは隠せないらしい。
「可愛い」
「おまっ」
こんな蓮を見た事がない。
もっとこんな表情の蓮が見たい。
「あんまり意地悪な事するなら俺もやっちゃうよ?」
真っ直ぐな目で俺を見る蓮。
なんだかすごくドキドキする。
「別に意地悪してないだろ」
「じゃあさっきのは?」
「……記憶にない」
「へぇ〜記憶にないんだぁ〜」
ドレッシングを握っていた蓮の手が向きを変えて俺の指に絡み手を握ってきた。
「なんであんな事したのかな?」
妖艶な顔で俺を見ながら指先を動かす。
「お前が悪い」
「…俺?」
だって蓮が可愛かったから。
「あんな事して俺のスイッチ入ったらどうすんの」
「スイッチ?」
「襲われてもいいの?俺に」
おおおおおお襲う!?
「尚ちゃん?」
「そっそんな事しないだろ」
「なんで?」
「なんでって…そりゃ…」
「友達だから?」
だって蓮にとって俺は友達で親友なんでしょ。
「それに俺男だし」
「別に男とか関係ないって言ったよね」
「あれは好きになったら男とか女とか関係ないって話だったでしょ……蓮は俺の事っ」
「好きだよ?好きじゃなきゃ仲良くしないよ」
「拓哉と塁も好き?」
「まぁ好きじゃないと仲良くしないよね」
俺の聞きたい好きは違う好きなんだけど。
「とりあえず飯食べないと冷めるから」
「せっかく尚が作ってくれた晩御飯だしね」
離された手に名残惜しさを感じながらドレッシングを掴んで席に座る。
「本当に料理上手だよね」
「当たり前だろ」
なんて会話をしながら晩御飯を食べ終わった。




