31話
部屋でお泊まり準備をしながら拓哉を待つ。
ピーンポーン…
「助かる!マジありがとう!」
「家にあったやつだから手本になるかっ」
「大丈夫大丈夫!」
紙袋を受け取り部屋に戻ってお泊まり準備の続きをしながらDVDを観ようと準備をする。
ピーンポーン…
客?拓哉か?確かもう1つ紙袋を持ってたよな?
急いで玄関に向かう。
「はー……い」
「玲子さん大丈夫みたいでもういいってさ」
「……へっ…へぇ〜…そっかそっか」
「ん?都合悪かった?」
DVDはまだ紙袋の中だから大丈夫。
「全っっ然!まだ泊まる準備できてなくて!」
「手伝おうか?」
「大丈夫大丈夫大丈夫!せっかく早く終わったんだから家でゆっくり休んだらいいのに!」
「なんか俺を遠ざけようとしてる?」
動揺するな俺!大丈夫だから!
「んなわけないだろ中に入って待ってろ」
「じゃあお邪魔します」
疑ってる!疑った目で俺を見てる!
「リビングで待っ」
「荷物部屋だろ?一緒に準備するよ」
「もう終わりかけ!ほぼ終わりだから大丈夫!」
「じゃあ荷物持って降りようか?」
「俺男だし軽いし持って降りれるから!」
「………何隠してるわけ」
「は?なんもないし!勘違いだし!」
「ふ〜ん」
完全に疑ってて部屋への侵入をこれ以上引き止めるの絶望的なんですが!
「じゃあ部屋行こ」
「おい!」
部屋に移動する蓮を必死で追いかける。
ガチャ…
「……なんもないじゃん」
「だから言っただろ」
「なんでそんなに必死だったわけ?」
「必死じゃねーし」
とりあえず紙袋をバレないように隠さないと。
蓮が部屋の中まで移動する後を着いて歩く。
「荷物は?あと何入れたら終わり?」
蓮が荷物に目を向ける。
紙袋は幸い荷物に隠れて見えていない。
「だからもう終わってるから大丈夫だって」
「ふ〜ん……あっそう」
あきらかにまだ疑っている蓮。
蓮の目線が気になって冷や汗をかく俺。
「食材は買ってから俺ん家行くだろ?」
1階のキッチンがある方向に目線を向けた蓮。
急いで紙袋を隠す俺。
「今なんかした?」
「は?」
「今なんか動いたよね?」
「は?準備ってか荷物閉めようとしただけ」
「…….そっか、じゃあ行く?」
「おう!」
よかった!バレなかった!
蓮と一緒に家を出る。
近くのスーパーで晩御飯の材料を調達。
「モモとムネでいいよね?」
「両方揚げるの?」
「蓮どっちも好きじゃん」
「嬉しい、ありがとう」
この笑顔がたまらない。
「ねぇ!なんかよくない!」
近くで女の声がした。
声がした方に目を向ける。
女2人が蓮を見てフンガフンガしている。
「やば!超いい!」
はぁ……こんだけ女から好かれるなら蓮の顔面1発殴ってちょいブスにしてやろうかな。
俺は蓮ならブスでもなんでもいいし。
「だよね!やっぱあっちがネコだよね!」
「でもそう見えてあっちが攻めだったら萌える!」
「いい!それもいい!」
………え?ネコ?攻め?なに?
ってか俺の事も見てる?
「勝手に想像するのは自由だけど人に聞こえる大きさで話すのはダメでしょ」
「えっあっすみません」
蓮に怒られてしょんぼりする女。
「あっ、うちのネコは気性荒いけど俺には甘いよ」
意味がわからない事を言った蓮。
蓮の話を聞いて一気に興奮した女たち。
「蓮?なにっ」
「なーんもない、帰ろ」
蓮に背中を押されてレジに向かった。




