25話
「バイトだから仕方ないだろ」
「何の関係あるんだよ、お前が店でバイっ」
「俺は手伝いであっちがバイト」
……………へ?
「天谷は店のバイトさん」
「バイト…さん?」
「基本土日しか手伝いに入ってなかったから知らなかったけど平日だけバイトしてるらしい」
「へっへぇ〜…あー…ははっ…」
バイト仲間ってだけ?
「だとしても急に仲良すぎでしょ」
「別に仲良くないけど」
「は?だって学校でイチャイチャっ」
「シフトの事話したり店の事しか話してないけど」
「だとしても雰囲気が恋人ってゆうか誤解する奴…って天谷は?先にマンション上がってったろ?」
「一緒なだけ」
「一緒?」
「同じマンションに住んでるだけだし違う階みたいだし今までマンション内で出会った事ないし」
同じマンション?たまたま?………へ?
「俺は知られるの面倒だから一緒にエレベーター乗らないし部屋になんか入れないけど」
「そっそうなんだ」
よかった……彼女じゃなくてよかった………
「手伝いだって嘘ついて家に連れ込んでる男だって思われてた俺可哀想じゃない?」
「………ごめん」
「誰かは合コン楽しんだみたいですけど」
「はあ?全然楽しくなかったから!」
「やっぱ合コンだったんだ」
俺はバカか!バカだ!大バカ野郎だ!
「これには事情がっ」
「いいよ言わなくて、尚の自由だし」
「………えっ」
今までと反応が違う……そうじゃないじゃん。
「蓮?怒ってっ」
「別に怒ってないよ、尚がしたい事すればいいよ」
違う違う違う…そんなん求めてない……
「そんな事より晩御飯食べた?」
「え?まぁ微妙に腹には入れた感じ」
「ラーメンならあるけどっ」
「は?ラーメン?ラーメンあんの!?」
今まで何の食料も置かなかったキッチンに!?
「何で!」
「今日買って帰ったから」
「だから何で!」
「自炊始めようかなって」
何で!何で急に!マジで何で急に!?
「お前熱とかじゃないよな!体調悪いとか!」
「俺が自炊しちゃ悪いかよ」
今まで1度だってしようとしなかったじゃん!
「自分の事は自分でやらなきゃって思っただけ、今まで作ってくれたじゃん、迷惑かけんの悪いし」
「別に迷惑とはっ」
「もう心配しなくて大丈夫だから」
心配させろよ、料理は俺担当じゃん、お前に料理作らなくなったら俺がお前に勝てるとこなくなんじゃん、俺の存在価値なくなんじゃん。
「自由になっていいから」
「……自由?」
「尚がしたい事してやりたい事やって好きにしていいから、門限もなしでいいから」
俺に興味なくなった?どうでもいいって事?
急に景色が灰色に見え始めた。
「そう、わかった」
としか言えないよな。
気がついたら自分の部屋に居た。




