24話
「りーな!急に元気ないじゃん!」
田島の友達の友達がさっきトイレで声をかけてきた変態女の肩を揺らしながら言った。
「いや……うん…逆に………うん…」
意味がわからない返事をする変態女。
「ママに怒られたとか!」
なぜか楽しそうに絡む田島の友達の友達。
「決めた」
そう言った変態女と目が合った。
「私のこと本気にさせたんだから絶対落とす」
俺?でも本気にさせた覚えはない。
「なーに言ってんの?」
不思議な顔で変態女を見る田島の友達の友達。
その直後、急に立ち上がる変態女。
「私、絶対落としてみせるから」
俺を指差しながら言い放った。
部屋にいる全員が俺を見る。
「は?意味わからん」
正直な俺の気持ち。
ザワザワ騒ぎ出す部屋。
「まあまあみんな落ち着いて!」
田島が立ち上がって場を沈めようとする。
「俺帰るわ」
嫌がる女たち。
女ってこんなに面倒なの?
俺は金をテーブルに置いて部屋を出た。
「……はぁ…」
家に帰るまでため息しかでない。
無駄に疲れた。
無意識に足は蓮の家に向かっていた。
「あっ俺買い忘れあるから先上がって」
「うん、気をつけてね」
マンション前に蓮と天谷の姿。
先上がって?合鍵?どっちにしろ蓮の家に天谷。
天谷がマンションに入って行く姿を見ている蓮。
「俺なんかダサすぎて笑える」
家に帰ろうと思った時には遅すぎた。
「あれ?尚?」
最悪。
「つまんなかったから早く帰ってきました!」
「門限は完全に過ぎてますけどね」
「まぁまぁ!」
お前はデートだから遅くてもいいって?家に彼女連れ込んでまだまだ一緒に居るんだろ?
「じゃ帰るわ」
「ん?帰んの?」
「……へ?」
「遊びに来たんじゃないの?」
「…………え?」
お前の彼女がお前の家に入るところを俺が見ていたって事知ってますよね?なのに俺がお前の家に上がりたがると思っていらっしゃる?
「家上がってっ」
「買い物!買い物あるんだろ!」
「ん?ないよ?」
「………は?」
聞き間違え……か?確か買い忘れがなんちゃら…
「とにかく!今日は行かない」
「……なんで?」
「なんでって……邪魔する気ないし…」
「邪魔?」
意味がわからないって顔をしている。
「だから!俺が家に行ったら邪魔だろ!」
遠い目をして何か考えて怖い顔で俺を見た。
「なっなんだよ」
腕を掴まれマンションの中に連れ込まれる。
エレベーターを待つ間も手を離してくれない。
「痛いって」
俺の言葉は聞こえないらしい。
蓮が何をそんなに怒っているのかわからない。
エレベーターは蓮の家がある階で止まった。
抵抗しようと力を込めるが蓮には勝てない。
ガチャガチャ……
天谷が待つ蓮の家の玄関が開く。
「無理!」
片手で両目を覆った。
何も言わない動かない蓮。
声をかけてくる事もない天谷。
ゆっくりと手を移動させながら目を開く。
「………あれ?」
真っ暗な部屋。
「どこ行った?」
暗い室内を玄関から必死に眺める。
「誰もいないから」
「は?そんなわけないじゃん!」
蓮の手を振り解き電気をつけてリビングまで走る。
誰もどこにも居ない。
「天谷は!」
「だから居ないって」
「だってさっき上で待ってろってっ」
「待ってろとは言ってない」
確かに待ってろとは言ってなかったか?
「だってお前ら付き合ってっ」
「尚まで」
「……え?」
「天谷とは付き合ってないから」
「だってお前ら最近一緒に居んじゃん」
「………そうだな」
ほら、やっぱりそうじゃん。




