00041RJHTHK「完全犯罪(五)」
牢から出ると、ジョーカーは「よくやった」と言ってきた。
津秋の姿から元の姿に戻してもらい、
服を渡されそれに着替える。
左腕にはぐるぐる巻きの包帯。
傷口の割に、出血は長引かなかった。
ヨロヨロしながらジョーカーとともに歩く。
向かう先は一軒家。
牢屋の建物を出て、少し経ったところにそこはあった。
中に居たのは影世の津秋。
本物の津秋だった。
ジョーカーは家の外で見張りに立ち、
俺は一人、津秋の家に入っていく。
大月を殺害したあと、そのまま津秋のキーメイルも奪う手はずだった。
津秋は現世と姿格好もほとんど変わらない。
その津秋を前に俺はライフルを持ち迫った。
「木場くん? ……どう、したの?」
津秋の声は不安が入り混じっている。
何て言って良いかわからず、ただただ俺は津秋を壁際に追い詰めていく。
何か喋らないと怖いのはわかってる。
けど何と言えば良いんだろう。
「あなたのパンティを私にください」、とかか?
「どうしたの?」
と聞く津秋に、
俺はため息をついて首を横に振った。
そのまま腕を力強く掴む。
強引に寝室に連れ込んだ。
押し倒し、衣服を剥ぎ取り、下着を奪い取った。
声で「やめて」、「いや」と嫌がるものの、抵抗らしい抵抗はしてこなかった。
「キャッチ」
片手で津秋の胸を抑えつけたまま、俺は呟く。
下着は小鍵の姿に変わった。
その小鍵を腰のチェーンにつけ、左腕のバングルでMPの上昇を確認する。
――1605。
MPは1605に上昇していた。
1500からだから上昇幅は105。
津秋のMP1050の十分の一。
MP十分の一が加算されたのか。
1570の合衆国大統領は一発越え。
――人類最強クラス。……ジョーカーの3700も決して遠くはない。
俺は津秋を見下ろした。
ここまでやったなら、……後は同じことか。
結局のところ、津秋は最後まで抵抗しなかった。




