02_改稿を舐めるな!(戒め)
これからお話しするのは、私の失敗談。
私が、とあるwebコンテストに応募したときの話です。
コンテストで審査員の方に読んでいただくのは普通、物語の冒頭です。
ここの出来栄えが、審査の可否を分けます。
だから私は、この応募を機に、冒頭の改稿を行おうと考えました。
改稿をするのは冒頭の1章分。
10万文字もない文章量でしたので、改稿作業に取り掛かるのは、だいたい応募の締め切りの2週間くらい前にしようと決めました。
それくらい前から作業をすれば、余裕を持って間に合う。
当時の私は、このように計画をしていました。
私の執筆速度は、1時間で2000文字ていど。
推敲の速度は1時間で4000文字ていど。
応募で手を付ける文章は10万文字で、しかもすでに推敲済みの文章。
ならば1日で、1万文字くらいの手直しができる。
そう、目星をつけていたんです。
――が、ダメッ!!
手直しは応募期間までに終わらず、結局、手直し途中で自分の小説をコンテストに参加させることになってしまいました。
最終的に手直しは完遂しましたものの、心はモヤモヤ。
工事途中の物語を審査員の方に読まれていないことを祈り、この失敗談は幕を閉じました。
だから私は言いたい。
改稿を舐めるな!(戒め)
とくに、序盤の改稿を舐めるな!
もう完成品があるから楽勝なんて思うな!
むしろ、それは地獄の入り口だと思え!
いま思えば当たり前のことだけど、物語の序盤を書いてたころの自分なんて、その世界や登場人物の解像度がガバガバのガバメントなんだから!
そんな物語エアプの自分が書いた文章なんて、大改造が必要になることくらい分かるだろッ!
その時の手直しはもう、改稿じゃなくって、刷新のレベル。
大幅に加筆したし、大幅に変更したし、元々の文章はプロットレベルでしか残ってない。
話の流れは一緒なのに、中身はほぼ別物。
変わっていないところの方が珍しいレベル。
当初は10万文字もなかった第1章は、改稿後は15万文字のスケールまでボリュームアップしました。
しかも文字数が増えただけでなく、ほぼほぼゼロベースからの書き直しだから、仕上げに必要な時間が半端ない。
1時間で2000文字のペースで15万文字を書くこととなり、最初の執筆計画は木っ端微塵。
誰だよ! 1日で1万文字いけるとか適当言ったヤツ!
ゼロから1万文字書くのって大変なんだぞ!
普通は3日くらい掛けて書く作業量なんだぞ!
3日で1万文字なんだから、15万文字書くには45日も掛かるやんけ!
ほぼ6週間は掛かる工数やんけ!
それを2週間でやるとか、どういう計算だよ!!
そんなだから、いつまで経っても改稿が終わらない。
いつまで経っても終わりが見えないから、最後の方にはむかついて、仕事を休んで書ききってやりましたよ。
おかげで改稿は終了。
心は晴れやか。
年末の大掃除を終えた気分。
――と、まあ、けっこう散々な改稿作業であり、散々な失敗談だったのですが、作業自体は楽しかったです。
その作品らしさを、改稿した第1章へふんだんに詰め込むことができました。
改稿前よりも断然面白いストーリーになったと思います。
そのことに自分の成長を感じられて、ちょっとほっこりです。
文章力、書き続ければちょっとはアップしていると思いました。
文章を書き続けるだけで語彙は増えませんが、自分の文章が持つリズムみたいなのが理解できるようになってくるんです。
このリズムこそが、いわゆる、作家としての個性であると私は思います。
たとえ同じ物語、同じシーンを描写するとしても、作家が違えば微妙に表現方法が異なります。
クラシック音楽だって、楽譜はみんな同じなのに、奏者が変われば音まで変わります。
これが近代的なギターとかドラムになると、もっと個性が強くなってきます。
個人の体格や筋力、楽器へのタッチの仕方。
それらが違うのだから、同じ音になりようがないのです。
そういう、自分への理解というのを強く感じた改稿作業の失敗談でした。
コンテスト応募のための、物語序盤の刷新。
楽しかったし、学べたことも多かったし、自分の成長も感じられたし――。
私個人としては、有意義な活動でした。
今回の経験から、私が言えること。
それは――、改稿を舐めるな!
改稿とは、過去の自分との闘い。
昔の自分を殺すつもりでやったのなら、それは大仕事になる。
だから、改稿を舐めるな!
作業負荷と工数を甘く見積もるな!
それでは今日はこのへんで!




