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刀武士  作者: ノナ
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第二十話:撃退する

    「シュッ!」殺し屋の首領が猛毒の投げ矢を放つと、一瞬にして十数本の緑色の矢が、梨の花が降り注ぐような勢いで飛来した。

  藤原桜司の前に立ちはだかったボディーガードたちは、武器で矢を払い除けた。

  「反応が鋭いな。それなら、これを試してみよう。」殺し屋の首領は腰から一本の鞭を引き抜いた。その鞭は茨のように鋭い棘がびっしりと生えており、同様に緑色の毒液が染み込んでいた。

  盗賊の首領はまず一人の男を攻撃した。鞭が振り下ろされ、男の武器を縛り上げると、手ですぐに引っ張った。武器は彼の手から滑り落ち、暗殺団の首領は再び鞭を振り下ろした。

  今度は、武器を失った護衛が鞭に直撃され、体にはたちまち裂傷が走った。

  その傷口には毒が混じっており、すぐに傷は黒ずみ、護衛は地面に倒れ込んだ。

  「この鞭には猛毒が!」別の護衛が気づいた。

  「ガシャン!」殺し屋の首領が鞭で彼の武器を叩くと、瞬く間に鞭が武器に絡みつき、余った部分がボディガードの体を直撃した。傷ができれば、すぐに毒が回ってしまう。

  こうして、二人目のボディガードも同様に地面に倒れた。

  三人のボディガードのうち、今や問刀だけが残った。

  そして殺し屋の首領は、同じ手口で問刀に襲いかかった。

  「シュッ!」猛毒の鞭が、まるで緑の蔓のように襲いかかってきた。

  「ガシャン!」問刀は刀を抜き、それを防いだ。鞭は毒蛇のように不気味に問刀に絡みつき、余った部分が問刀を攻撃した。

  この不気味な鞭は、敵を自動でロックオンできる宝器に違いない。

  問刀の回避は素早かったが、それでも鞭は彼を捉え、一筋の傷を残した。

  その後、その鞭は、敵を噛みついた毒蛇のように、縮んで這うように戻り、暗殺団の首領の手元へと戻った。

  暗殺団の首領は、目尻に陰険な笑みを浮かべた。「さて、雇い主の意向通り、彼に藤原桜司を無事に護らせなければならない。あまり弱すぎないことを願う。さもないと、彼が死んでしまえば、私の任務は失敗となる。」

  「不滅決!」問刀の体内で、赤いエネルギーが洪水のように奔流し、黒い毒素が血液を通じて傷口から排出され、黒い血のかさぶたを形成し、すぐに剥がれ落ちた。

  「やはり雇い主の言う通り、彼は毒素に対する免疫能力を持っている。それなら、あとは彼に合わせて演技をすればよい。撤退する時だ。」  

  殺し屋の首領は心の中でそう呟くと、口を開いた。

  「まさか毒素に免疫があるとは、面白い。それなら、本気を出そう。」

  殺し屋の首領の気配が変化した。緑色の毒属性のエネルギーが彼の血管を流れ、その姿には緑色の血管が張り巡らされたような模様が現れた。

  「武道二段上級、毒属性か。」問刀は分析した。「あの鞭、妙に不気味だ。」

  すると、その鞭は緑色のエネルギーを吸収すると、収縮し始めた。まるでムカデのように、鋸のような剣へと縮み、3メートルから1メートルへと短くなり、上部の棘も鋸歯のような鋭い刃へと変わり、剣の両側に配置された。

  「下等宝器:ムカデ鞭剣!」これは鞭と剣の長さを切り替えられる武器だ。

  「シュッ!」突然、剣の周囲の鋸歯が、まるでチェーンソーのように高速で回転し始め、あらゆるものを切り裂くかのように見えた。

  「俺の目の前から消えろ。さもなくば、『藤原桜司』と同じく、死体になるぞ。」と、殺し屋の首領は威嚇した。

  しかし問刀は答えず、ただ手にした刀を掲げ、その刃先を彼に向けた。

  「なるほど、お前の言わんとすることは分かった。死ね!」殺し屋の首領は、高速で回転する鋸歯状の剣を掲げ、猛然と駆け寄ってきた。

  問刀の眼前まで来ると、手にした剣の刃が斬り下ろされた。

  「ガシャン!」問刀の手にある噬刀がそれを受け止めた。

  殺し屋の首領の顔に驚きが浮かんだ。一見単純な衝突に見えたが、その緑色のムカデ剣は首領の手から滑り落ち、その衝撃で彼の腕全体が痺れてしまったのだ。

  「恐ろしい力だ。この少年は、雇い主が言っていた以上に恐ろしいようだ。」殺し屋の首領は、まるで野牛に突かれたかのように、その巨大な衝撃で体が後ろに傾いた。その勢いを利用して、彼は隙を見て撤退した。

  「シュッ!」緑色のムカデの剣が地面に突き刺さった。殺し屋の首領は、ちょうどその剣の前まで後退しており、勢いよくそれを手に掴んだ。

  「痛い。」殺し屋の首領は今になって気づいた。先ほど、受けた衝撃が大きすぎて手のひらが裂け、血が流れていたのだ。

  「それなら、この口実は絶好だ。」殺し屋の首領は心の中で思った。

  ほんの数秒の間に、殺し屋の首領の手から流れ出た血は、ムカデの剣をほぼ真っ赤に染め上げていた。

  「まずい、撤退だ。」殺し屋の首領が怒号をあげると、残りの殺し屋たちはその様子を見て、次々と逃げ出した。

  すべての殺し屋が撤退した後、当初十数人いたボディーガードのうち、今や立っていられるのは2人だけとなり、残りのボディーガードたちは皆、地面に倒れていた。

  問刀の他に、もう一人は木場翁だった。しかし、木場翁もまた、体に重傷を負っていた。

  問刀だけが、傷一つ負わず、暗殺者の首領を撃退した。

  「さすが今年のボディガード大会の優勝者だ。金泉町の最強の達人である侍郎でさえ、お前に敗れた。私が最も危険な状況にあっても、なお私を守ろうとしてくれた。お前の忠誠心はよくわかった。だから、これからは私の傍らにいてくれ。もうこの春風荘で門番をする必要はない。」

  藤原桜司は問刀の肩を叩いた。

  「感謝する、若殿!」問刀は当然ながら断るはずもなかった。それが彼にとって最も切望していた、任務の一部だったからだ。

  「では、今すぐ私についてきて、ここを離れよう。それと、ここにいる負傷者全員には、最高の医師による治療を受けられるだけでなく、忠誠への報いとして多額の報奨金も支給される。」

  「ありがとうございます、若殿!」毒に侵され、起き上がる力もなく、地面に伏せたままそう言うボディーガードたちもいた。

  春風荘の危機は、すでに過ぎ去った。

  しかし、その一方で。

  撤退に成功したすべての暗殺者たちは、ある場所、人里離れた山麓へと集まっていた。

  ここは不気味な墓地であり、誰も近寄らないため、往々にして人知れぬ秘密取引の場となっていた。

  「依頼主様、任務は完了しました。残りの報酬も、そろそろ精算すべきでしょう。」

  十数人の覆面をした黒衣の男たちがここに現れた。その先頭には、春風荘園で掃除係に扮していた暗殺者の首領がいた。

  彼の手のひらは鮮血で染まっていた。彼は前方に頭を下げ、怒りを露わにしながら、彼らに背を向けて立つ灰色の服を着た男を見つめた。

  灰色の服を着た男は、カーテン付きの帽子をかぶり、その容貌を隠していた。腰には血のような赤い刀が下げられていた。

  「お前たち、皆、怪我をしているか?」灰色の男が尋ねた。カメラが切り替わり、灰色の男の帽子のベールの下の顔が映し出された。それは若くハンサムな顔だったが、冷酷無情で、極めて冷血だった。

  「はい。」殺し屋たちが答えた。彼らの体には、多かれ少なかれ傷跡があり、傷口は開いたまま癒えていなかった。

  「それなら、残りの賞金は支払われるべきだろう。」殺し屋のリーダーが再び尋ねた。

  「賞金?ハハハ、ハハハハ!」灰色の服の男は、腰の赤い刀を抜いた。その見覚えのある刀身の形――なんと、この灰色の服の男こそが薄乱刹だった。

  「私はお前の金主ではない。むしろ、お前たちのこの懸賞任務も、計画の一部だ。」

  「あの金主は、俺に仕事をさせるために十分な金をくれた。第一段階は、その金の半分を使ってお前たちを懸賞にかけること。第二段階は、今のこの計画、つまりお前たちを全員殺し尽くすことだ。お前たちの懸賞金はすべて俺のものだ。金を奪えるだけでなく、お前たちを永遠に黙らせ、この秘密を外部に漏らさないようにできる。ハハハ!」薄乱刹の笑みは極めて恐ろしいものだった。

  「ザッ!」殺し屋たちは武器を抜き放ち、怒号した。「このクソ野郎!」

  「ふふっ。」薄乱刹は冷笑すると、すぐに叫んだ。「吸い取れ、我が渇ききった絶情の刃よ!」

  「ガシャッ!」

  瞬間、すべての暗殺者の傷口が裂け、体内の血液がまるで小蛇のように空中に吸い上げられ、絶情刀に飲み込まれていった。

  わずか数秒で、すべての暗殺者の体内の血液は傷口から吸い尽くされ、干からびた死体と化した。

  血液を吸い尽くした絶情刀は、さらに鮮やかな赤色となり、まるで生血で鍛えられたかのように、極めて鮮烈な輝きを放っていた。

  地面には、十数体の枯れ果てた死体だけが残されていた。

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