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刀武士  作者: ノナ
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第十五話:ボディガード大会

  実力の圧倒的な差を武器に、武道二段上級の実力者である3人は、あっという間に6人を淘汰した。こうして、リング上には彼ら3人だけが残った。

  「なるほど、これでリング上には我々3人だけになった。思い切り、存分に戦えるな」爆炎は興奮した様子で笑った。

  「下等武法:火行拳!」爆炎の拳からは眩いばかりの赤い光が放たれ、熱波がまるで球体となったかのように、彼の体はオレンジ色の火の影の如く、木村柳の眼前へと跳び込んだ。

  「ドカン!」爆炎の拳が木村柳の胸に命中すると、瞬時に爆発した。まるで爆薬のような威力で、木村柳を瞬く間に少なくとも5メートルも後方へ吹き飛ばした。

  木村柳は放物線を描き、投げられた砲丸のように地面に落下し、数歩よろめいてようやく止まった。

  しかし、彼の胸にはオレンジ色の光の裂け目が現れていた。それは炎の能力がすでに彼の体内にまで達し、深刻な内傷を負わせたためだ。そのため、今、木村柳の傷口はまるで火が燃えているかのように熱を帯び、喉が渇き、顔には冷や汗がにじんでいた。

  彼の木属性は本来、治療効果を持つ。そこで木村柳は手印を結ぶと、体内の木属性エネルギーが緑色の光へと変わり、血管の中を蛍のように素早く流れ、胸のオレンジ色の光の裂け目を徐々に埋め合わせていった。

  しかし、ここは戦場だ。敵が彼に傷を癒やす機会を与えるはずがない。爆炎は再び猿のように跳び上がり、木村柳の眼前へ飛び込み、再び胸へ拳を叩き込んだ。

  「ドーン!」

  轟音と共に、今度は木村柳が、まるで曲がったエビのように全身を反らせてリングの縁にある鉄の鎖に弾き飛ばされ、跳ね返って地面に叩きつけられた。二度と立ち上がることはできなかった。

  「木村柳選手、まだ戦えるでしょうか?」

  「10、9、8……0」

  「カウントダウン終了、木村柳は敗退。これで、リングに残っているのは爆炎と侍郎の二人だけだ。」

  爆炎は振り返り、侍郎に向かって笑みを浮かべた。「侍郎、お前と俺は、それぞれの町の最強者だ。だから、この試合の優勝者も、俺たちのどちらかから決まるんだ。」

  「さあ、手を出せ、爆炎。」侍郎は双刀を広げた。まるで翼のように、その姿勢は全身の筋肉のラインを完璧に浮かび上がらせ、見る者を唖然とさせた。

  「あの恐ろしい筋肉の造形……侍郎閣下がどれほど恐ろしい爆発力を秘めているのか、想像もつかない!」

  「金属属性は、金属のように堅固になることを修練する。だが、俺の火属性なら、お前を溶かしてしまえる。どんなに硬かろうともな」爆炎は、猿のような野性的な笑みを浮かべると、すぐに駆け寄ってきた。

  彼の周囲の空気は高温で沸騰し、その姿はぼやけて見え、まるで静かな水の中を移動しているかのようだった。

  すると、爆炎は瞬く間に侍郎に接近し、その拳は爆発する爆薬のように、侍郎の胸へと突き刺さった。

  一方、侍郎は刀を振りかざし、それを受け止めた。

  「ジジジッ!」

  刀が爆炎の拳に近づくと、熱によって真っ赤に輝き、煙を上げた。しかし、それでもその硬度は爆炎の拳を上回っていた。

  そのため、もし爆炎の拳が刀身と接触すれば、瞬時に切り裂かれてしまうだろう。

  そこで爆炎は回避を選んだ。爆炎は拳を引き、同時に身を翻して侍郎の頭上を飛び越え、後ろ足で侍郎の背中を蹴りつけた。

  「ジジジッ!」

  瞬く間に、侍郎の背中の服には、足跡の形をした黒い穴が焼け焦げ、その下にある侍郎の肌も真っ赤に焼けていた。

  侍郎は歯を食いしばった。明らかに、その熱さによって激しい苦痛を感じているようだ。

  一方、爆炎は侍郎の背中に蹴りを入れた反動を利用して3メートル前方へ跳び、安全な場所に着地した。

  爆炎はゆっくりと振り返った。その瞬間、侍郎も完全に振り返り、その顔は怒りに満ち、目からは巨大な大蛇のような光が迸り出ていた。刀を構えるその手つきは、まさに怒り狂ったカマキリのようだった。

  侍郎は手近な服を引っ張り下ろし、上半身を露わにした。その黒ずんだ肌と筋肉のラインが、恐ろしいほどに浮き彫りになり、全員の目に焼き付いた。

  「なんと完璧な筋肉だ!」

  「これほどの筋肉を鍛え上げているのだから、侍郎閣下の力とスピードは、おそらく誰にも敵わないだろう!」

  観客席からは驚きの声が上がった。

  「下級武法:カマキリ跳斬!」侍郎が怒りを込めてそう叫ぶと、一瞬にして、誰もが息を呑んだ。

  「来たぞ、来たぞ!これは侍郎閣下の代名詞とも言える必殺技だ。まるでカマキリのように、自分より数倍も大きな獲物を斬り倒すことができる!」

  「それなら、同格の敵であれば、この一撃に耐えられるはずがない!」

  皆の視線は期待と恐怖に満ち、これからどれほど凄惨な光景が繰り広げられるのか、固唾を呑んで見守った。

  侍郎のもともと猛々しい筋肉の下で、緑色のエネルギーが恐ろしいほどに渦巻き、侍郎自身もまるでカマキリが跳躍する直前のような姿勢をとった。

  すると、さらに多くの緑色のエネルギーが彼の脚に集まり、その跳躍に信じがたいほどの推進力を与えた。

  「ドーン!」

  侍郎が飛び出した瞬間、足元の石畳は粉々に砕け散り、侍郎は砲弾のように飛び出した。

  瞬く間に爆炎に迫り、その恐ろしい気迫、とりわけ侍郎の眼差しは、何ものをも恐れない、必勝の眼差しであり、爆炎の心にさえ自己疑念を抱かせた。

  「火行拳!」

  爆炎の拳が同時に放たれ、その拳は橙色の灼熱の光から、火の玉へと変化した。

  飛来する侍郎は双刀を交差させ、その交差する部分がちょうど爆炎の拳を狙っていた。

  「ドーン!」

  爆発音が響き渡った。凄まじい衝撃で爆炎の足元の石板が砕け散り、砕けた石と塵が瞬く間に二人を霧のように包み込んだ。

  そして侍郎は、まるで旋風のように、塵のカーテンを突き抜け、手にした刀を背後に向け直した。

  塵が晴れて初めて、誰もが気づいた。侍郎の刀の刃先が、爆炎の後頭部をわずか1センチの距離で狙っていたのだ。

  爆炎が振り返ると、その刀が、いつでも彼を殺せる位置にあることに気づいた。

  「負けた!」爆炎はうつむいて言った。

  一方、侍郎は両刀を背中の交差した鞘に収め、爆炎に背を向けて冷ややかに笑った。「手加減してやった。そうでなければ、お前の腕全体が、私の『蟷螂跳斬』によって粉砕されていただろう。」

  「お前の実力は決して弱くない。ただ、宝器が一つ足りないだけだ。もし下級の宝器である拳套を持っていれば、私がこれほど楽に勝てたとは限らない。」

  「ご指摘ありがとうございます」と爆炎は頭を下げた。

  一方、侍郎は突然腰を屈めてしゃがみ込み、一気に跳躍して高さ2メートルの鉄鎖を正確に飛び越え、群衆の中に降り立った。

  「今大会の優勝者が決定しました。金泉町随一の達人、侍郎閣下です!」

  主催者が大声で告げた。

  「しかし、まだ最後の1人の選手が登場していない。その人物こそ、問刀君だ。問刀君、この試合を通じて、侍郎と対戦する意思はあるか?」

  その瞬間、すべての視線が問刀に注がれた。

  人々は、この18歳の若き少年に視線を向けた。

  「侍郎と戦うなんて、命が危ないぞ。さっきの『蟷螂跳斬』は皆も見ただろう。誰も防げない。たとえ耐えられたとしても、片腕は失うことになる。」

  「この子はまだ若いのに、まさか障害を負うつもりなのか。」

  人々の議論を聞きながら、今の侍郎は得意げに笑った。

  「たった18歳の少年が、金泉町随一の達人である私に挑むなんて、一体どこにそんな勇気があるというのか。彼の名は問刀。私はその名を聞いたことがない。つまり、彼は近隣の町の達人ではないということだ。それなら、なおさら一撃で倒れるに決まっている。」

  侍郎は、問刀を振り返って一瞥することさえ拒んだ。先ほどの戦いで、この少年は恐怖のあまり呆気にとられ、自分に挑む度胸などないだろうと考えていたからだ。侍郎の口元には、得意げな笑みが浮かんでいた。

  「そうか、今年のボディガード大会は、私が楽勝で優勝できるということだな。」侍郎は両手を枕のようにして、後頭部の後ろに組んだ。

  「私は問刀と申します。武道二段上級、山海村の出身です。侍郎閣下に挑戦を申し出ます!」

  問刀の声が響くと、観客全員の表情が一瞬にして驚きに満ちた。

  「たった18歳で、すでに武道二段上級の実力に達しているとは、この少年の才能は恐ろしいほどだ!」

  「ましてや、彼が侍郎に挑むとは。それは、莫大なリスク、ひいては死さえも意味するのだ!」

  観客たちは驚きながらそう囁き合った。

  一方、侍郎は目を丸くし、ついに我慢できずに振り返り、問刀を一瞥した。

  その瞬間、問刀もまた彼をじっと見つめていた。

  二人の視線が初めて交わった瞬間、まるで二本の刀の刃がぶつかり合うかのように、音が鳴り響いたかのようだった。

  問刀の揺るぎない眼差しに、侍郎はさらに疑念を抱いた。

  「明らかに、私は同格の相手を二人倒した。この問刀もそれをこの目で見ていたはずなのに、よくも私に挑んでくるものだ。」

  「それなら、明日会おう。」侍郎は前へ進み、後ろ手に軽く手を振った。

  「とにかく、自分勝手な奴なら誰であれ打ち負かしてやる。水市町の最強の達人ですら私に負けたのだ。ましてや、成人したばかりの子など。」

  侍郎は伸びをすると、全身の骨が「パキパキ」と音を立て、振り返りもせずにその場を去っていった。

  「よし、それでは、明日の最後の試合にご期待ください。」

  「問刀対侍郎!」

  主催者が紹介した。

  そして、すべての視線が問刀に注がれ、心配の色が滲んでいた。

  「坊や、侍郎は並大抵の相手じゃない。彼と決闘すれば、お前は重傷を負うに決まっている。」

  「そうだ、不具になるよりは、諦めたほうがましだ。」観客たちは問刀に忠告した。

  「皆様、ご心配ありがとうございます!」問刀は頭を下げた。

  「それでは、すべては明日決着をつけましょう。」

  恐るべき侍郎に挑む決意を固めた問刀を見て、誰もがただ呆れて首を振り、ため息をつくしかなかった。

  翌日。

  リングの上には、問刀と侍郎の二人が立っていた。

  「皆様、今回のボディガード大会、最後の試合です。」

  「初出場の選手、問刀が、前回の試合で1位となった侍郎と対決します!」

  「この試合が終われば、今大会の優勝者が決定します。」

  「さて、果たして誰が勝利するのか、見守りましょう。それでは、試合開始!」

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