柊武視点2
美琴が全員分の飲み物を用意し終えて、中央のソファーに腰を下ろすと、話が始まった。
「まずは召集理由だな」
「別に大会が近いわけでもないんだしょ?」
「ああ。依頼が集中してるわけでもない」
「だったら何でだよ」
くそっ。大和が真面目すぎて面白くねぇ。
「営業妨害な噂があった。美琴、知ってる?」
「はい、少しは」
「ボランティア部って奴っすか?」
「蒼真の言う通り。あいつらが営業妨害を始めた」
涼風高校には変な部活がいくつかある。
試合の手助けをする、助っ人部。
金さえ払えば何でもやってくれる、代行部。
対価を渡せば、それに見合うだけのどんな情報も教えてくれる、情報提供部。
上記三つの部活と提携して、代わりに代金の取り立てをしてくれる、料金徴収部。
そして、上記四つの部活の天敵、ボランティア部。
「でも、ボラ部って今まで郊外活動オンリーだったじゃん」
「なんでも、生徒からの依頼が多くなったらしい。俺等には金を払いたくないとさ」
「……俺は別にどーでも良いと思うぞ? 奴等は有料の勝利より無料の敗北を選んだだけだろ?」
「タケ毒舌ー」
「でも、武兄さんの言う通りでもありますよ?」
「確かに。ボラ部の連中は何かに秀でてる訳じゃないっすからね」
蒼真の言う通り。
ボランティア部は正直頭が良い奴等の集まりじゃない。ましてや、運動神経が良いわけでもない。
対して、俺等はこう見えても全員学年トップクラスの成績を持っている。
得手不得手はあるが、総合すれば一通りのスポーツは上級クラスでこなせる。
「そこで、部長は考えた。ボラ部を潰そうと」
「今更かよ」
「てか、私は潰す気満々だけど」
「あ、自分もっす」
「胡桃さんはわかるとして、蒼真ちゃんは被害無さそうに見えますけど」
「徴収部もボラ部にネチネチ言われてるっすよ」
良い忘れてたが、胡桃と蒼真は兼部だ。
胡桃は助っ人、代行、情提、徴収。
蒼真は助っ人と徴収。
「どうやって潰すんですか?」
「ネットを使う」
「悪質な書き込みでもすんの? ガキみたいに」
「誰がするか。取り合えず、俺等の仕事は必ず勝利を与えますって広める」
「そんで?」
「ボラ部との違いを明確にした上で、奴等には敗北しかないことを大々的に伝える」
「料金は変えんのか?」
「そこは考え中だ」
ボラ部対策の話は思ったよりも早く終わった。
俺は甘い気がするが、大和もなんか考えてるんだろう。
ああ見えて、大和の方が腹黒いんだ。シスコンの癖に。
俺はハッキングでちょっと面白い物を見たから、今はそっちを調べることにした。
ボラ部のことは立派なシスコン部長と優秀な美琴に任せるさ。




