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咲良蒼真視点2

 剣道の試合自体は、楽っす。

 わざと負けるのは難しいっす。


「負ける必要があるんすか?」

「んー勝っても良いと思うけどねー」

「良いわけないでしょう」


 先輩とは違う声に、振り替える。

 立っていたのは、美琴と、見知った貴婦人。


「お、お久しぶりっす……」

「相変わらずの言葉遣いね、咲良」

「……っす」


 美琴の母親の、柊鳴海(ひいらぎ なるみ)さん。

 涼風高校理事会の副理事長。


「鳴海さん、試合終わりに来るんじゃなかったんですか?」

「そのつもりだったんですけど……」

「大和が喧しいから、簀巻きにして放置してきたの」

「……と、言うわけです」


 何も言わないっす。

 試合時間だから、会場に向かうっす。



 涼風は、前回大会で優勝したので、今回はシードっす。


「ねー、何処と当たるの?」

「順当に行けば、F高校とっす」

「えー! あそこに負けんの?! あり得ない。絶対やだ!」

「じゃあ勝って良いっすよ」

「マジで?!」

「多分、出停一週間っすね」


 そんな目で見られても、処罰は変わらないっすよ。



 中略するっす。

 試合の説明とか、マジ無理っす。

 と、言うわけで、試合終わりに飛ぶっす。



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